買い物は簡単なのでしょうか?それを仕事としている調達購買業務とは?
「いや、素材だけです。いい鳥を90年育て続けてくれている養鶏家の方が素晴らしいんです」と。
私はびっくりしました。このお店は90年間契約している養鶏家から安定的に鶏肉を調達し続けているのです。その間に戦争があったりオイルショックがあったり、バブルがあったり、それでも調達し続けているのです。話を聞いたところ、店主は今でも毎月2回この養鶏家を訪問して自分の目で鳥を確かめに行っているとのこと。
「素晴らしい素材や物を調達し続けるのは難しいし、手間もかかる」調達することって難しいことなのです。もっと言えば素晴らしい素材を調達できることはそれだけで製品や商品、サービスの価値を高めることにつながると言えます。
90年という長い年月のことを書いてもう一つ思いだしました。米国にISMという組織があります。ISMはInstitute for Supply Managementの略です。全米サプライマネジメント協会。この協会の設立は1915年です。つまり設立後100周年を超えています。102才の組織です。102年前からこのような協会を立ち上げているということにまずは驚きを隠せません。と同時に米国では調達購買の重要性にいち早く気が付いているという事実には関心せざるを得ないでしょう。
これだけ長期間に渡り職業としても学問としても扱われているということはそれだけ調達購買ということが奥深く簡単なものではないという証拠とも言えます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。