理系学生へのニーズが顕著な最新就活動向

2016.11.22

組織・人材

理系学生へのニーズが顕著な最新就活動向

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

就職情報会社各社が、現在学部4年・修士2年を対象とする2017卒就活の総括レポートを発表しています。度重なる時期変更に翻弄された2017卒就活ですが、理系学生へのニーズと短期化という特徴が各社調査でも顕著であり、その流れがこれから始まる2018卒就活につながると考えます。

これはやはり就活する学生にも、採用する企業にも安心感をもたらすでしょう。確実に現17就活が参考になるからです。就活情報会社の調査結果も、過去3年、毎年時期変更がなされた結果、月次比較ができません。当然月で比較しても、就活時期が異なりますので意味がありません。リテラシーがより一層求められますが、少なくとも18就活は確実に17就活を踏襲するのですから、学生は失敗した就活学生の例にならわないことを、企業は採用に苦しんだ例をならわないよう準備が可能です。

学生はとにかく出足のつまづきが最後まで影響します。短期化したことで、出足で出遅れればそれをずっと引きずることになります。特に「3/1から考え始めた」学生は、上位校であって大苦戦しました。全国で同じことが起きています。3/1から動くためには、その前から方針を決め、「3/1から動ける」準備が必要です。2018就活ではぜひこのスタート時期を意識して下さい。マイナビ2018では私がプロデュースした「理系の選択」という特集ページが公開されていますので、ぜひご一読下さい。(「マイナビ 理系の選択」で検索!)


・企業の準備
企業側は焦って採用を始めたものの、学生の決心が固まる前に採用が終わってしまい、特に知名度で劣るB2B系企業、中小企業は例年以上に内定辞退が起きたようです。有名企業・人気企業と真正面から競走しても残念ながら勝ち目はありません。むしろ「内定者確保」より、「入社者確保」こそが究極の戦略目標であることをあらためて意識し、いたずらに早期化に踊らされず、しっかり学生の理解を養う必要があります。

もたもたしていたら他社に逃げられてしまうという焦りはもちろん理解できます。全く何もせず指をくわえて見ているのではありません。こちら(会社側)からのコンタクトや情報発信は当然早期から行う必要があります。ただし焦って囲い込みをしようとしても、無理やりな内定受諾強要に意味はありません。オワハラ自体、かなり減ったと感じますが、それはオワハラで無理やり確保した内定など、何の意味もないことを企業側が理解したからだと思います。

とにかく最も重要なのは入社者の確保です。キラキラ、イキイキした社員の非の打ちどころの無い話に説得力はありません。学生もウソくささを見抜きます。むしろ正直に、良いこともあれば悪いこともある、会社の苦手部分も含めて情報をわかりやすくコミュニケーションした企業には、それなりに内定者の歩留まりは良いようです。学生にばかりコミュニケーション力を求める前に、企業自体、真のコミュニケーション力はやはり採用においても重要です。

各大学が主催するオンキャンパスのリクルーティングはやはり有効だといえます。予算や人員の配分をしっかり行い、上記のような説得力を持つ情報発信ができるなら、積極的に活用されるべきでしょう。

早ければすでに大学との接点は始まっていると思いますが、ぜひ学生、企業の皆さんが悔いのない成果となりますよう、戦略観をもって取り組んで下さい。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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