2016.11.18
「うちの子介護はじめてノート」~「うちの犬、足を引きずるんだよ」の声にお答えします~
武田 真優子
つむぎペットケア 老犬介護スペシャリスト/もふもふ認定動物看護師
7歳以上のシニアと呼ばれるイヌが全体の54.6%、猫では42.1%となり、ペットの高齢化が進んでいます。シニア期にさしかかると、「昨日できていたことが今日できない」ことが、少しずつ増えます。場合によっては飼主さんの介護が必要になります。今回は介護に関する運動の悩みに対し、どのように対応をし、予防できるのかをお伝えします。
■老齢犬を散歩させるときに、なにに気をつけたらいい?
老齢のイヌを散歩させるときの注意点を、4つ書きます。
1)歩き方をチェックする
足を引きずる前に、日々の散歩の中で、その徴候が現れます。
▶ 歩くときに、地面に爪がこすれる音がする
▶爪切りをするとき、他の爪より多く削れている箇所がある
▶足の先で、いつも同じ場所ばかりケガをする
イヌもヒトと同じように、歩き方の癖があります。老齢になるとその癖や痛みにより筋肉の付き方が偏ったり、骨格が歪みます。そして、歩き方に影響してきます。「あれ、なにか変だな?」と思ったときには、専門家に相談することをお勧めします。
2)うちの子オーダーメイドの散歩スタイルをつくる
うちの子の健康状態や体力の変化を見ながら、体調にあったオーダメイドの散歩スタイルを考えましょう。散歩をする時間帯に気をつけ、体に負担が少ないように心がけましょう。
3)散歩前にウォーミングアップをさせる
老齢になると「寝起きに足を引きずる」という飼主さんからの声を聞くようになります。うちの子に負担をかけすぎないように、
▶ 関節を軽く曲げ伸ばしする
▶ リードをつけて家の中や庭で歩かせる
などのウォーミングアップを行ってから、本格的な散歩をするとよいでしょう。
4)持病がある場合は、短時間で自宅に戻れるように散歩コースをつくる
持病がある場合は、無理をしないことが大切なことです。散歩が好きなイヌは、自分の体調を考えることなく、どんどん歩いて行ってしまうこともあります。そんなとき、うちの子の体調を考えてあげられるのは飼主さんだけです。いつもより短いコースにしたり、散歩を切り上げることも検討してみてください。どれくらい運動させてよいのかの判断に迷われるときは、専門家にご相談ください。
■介護には絶対はない
介護方法は、解剖学、生理学上で「こうしたほうがいい」ということはありますが、絶対にこうすべきというものはありません。なぜなら、そのご家庭やうちの子をとりまく環境、うちの子の体の状態によって、変わってくるものだからです。
つまり、介護は「うちの子に合わせ、試しながら組み合わせるもの」です。それゆえ、この記事に書かれていることがあなたのうちの子にぴったりと当てはまらないケースがあります。その際は、まずは、かかりつけの動物病院にご相談ください。
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「うちの子介護はじめてノート」
2016.10.20
2016.10.27
2016.11.18
武田 真優子
つむぎペットケア 老犬介護スペシャリスト/もふもふ認定動物看護師
ペットホスピスをつくるために地方移住予定/うさぎと暮らすペットヘルパー/認定動物看護師。老齢動物介護/グリーフケア/ペットマッサージ