7歳以上のシニアと呼ばれるイヌが全体の54.6%、猫では42.1%となり、ペットの高齢化が進んでいます。シニア期にさしかかると、「あれ?昨日までできていたのに」ということが少しずつ増えます。場合によっては飼主さんの「介護」が必要になります。今回は、ペットの「介護」について、書きます。
■「介護」に正解はない
「介護」は、「介抱看護」のことです。衰弱しきった病人、けが人や重度の身障者、また寝たきり老人などに常時付き添っていて、その生活全般にわたり、こまごまとした世話をします。
ただし、この介護方法は、解剖学、生理学上で「こうしたほうがいい」ということはありますが、絶対にこうすべきというものはありません。なぜなら、そのご家庭やうちの子をとりまく環境、うちの子の体の状態によって、変わってくるものだからです。
つまり、介護はうちの子に合わせカスタマイズするものであり、ここに書かれていることが、ぴったりと当てはまらないケースがあります。その際は、まずは、かかりつけの動物病院にご相談ください。
■「介護」は誰にでも出来る
●あなたのうちの子が食事をとりにくそうにしているから、口元に持っていてあげた。
●後ろ足が弱ってきて階段を上りにくそうだから、スロープをつけた。
このようにうちの子の状態に合わせて支えることも、立派な介護です。
ただし、本格的な在宅介護となるとその負担は大きくなります。
たとえば、動物病院で入院をした場合、
▶医療処置
▶投薬
▶食事
▶排泄の世話
などを行います。在宅介護はこの中の「医療処置」意外すべてを行う必要があります。症状によってはたいへんな時間・体力・気力を要することになるため、倒れて救急車で運ばれる飼主さんもいらっしゃいました。
介護には「絶対の正解」はありません。あなたの”うちの子”にとってよりよい介護を、飼主さんと見つけることができればと、そう思っています。
「うちの子介護はじめてノート」
2016.10.20
2016.10.27
2016.11.18
武田 真優子
つむぎペットケア 老犬介護スペシャリスト/もふもふ認定動物看護師
ペットホスピスをつくるために地方移住予定/うさぎと暮らすペットヘルパー/認定動物看護師。老齢動物介護/グリーフケア/ペットマッサージ