新しい事業や斬新な商品の企画を上申しようとすると、「もっと調査せよ。計画をブラッシュアップせよ」と何度もやり直しをさせる上司。彼らにこうした保守的な行動をとらせるものは何か。
そして「成果主義」という人事評価制度が減点主義的に運用されている企業では、部下にリスクのある新しい取り組みをさせない「保守化した管理職」を増殖させてしまうのだ。
そうした保守化した管理職は、従来からある製品ラインの延長上にあるモデルチェンジは必要以上に矢継ぎ早にさせようとするのに、まったく斬新なコンセプトに基づく新しいカテゴリーの製品や、ビジネスモデルごと入れ替えてしまうような新サービスを提案してもなかなか了承してくれない。前者はROIが計算できるが、後2者は計算できないからだ。
しかしこうした保守的な経営管理が横行すると、各企業が提供する製品・サービスは似たようなものになってコモディティ化しやすい。そしてイノベーティブな新規事業が生まれる余地はどんどん狭くなってしまう。畢竟、同じような領域での価格のたたき合いになりがちで、業界全体がレッドオーシャン化しやすい。これはまさにニッポンの家電業界が嵌ってしまった陥穽だ。
例えばルンバのようなロボット掃除機は、日本メーカーのほうが開発は先行していたと聞く。日本の家電メーカーが本当の意味で復活するためには、担当者はもちろん、管理職クラスにも真の企業家精神を復活させることが欠かせない。新規事業
2015.10.26
2015.11.25
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。 ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/ ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/
