Digital化の波が押し寄せ、経営戦略が短期化されている今、経営の要望に迅速かつ的確に応えるための有効な手法としてAgile型の開発が改めて注目されています。 非常に魅力的な手法である一方、これを正しく理解せずに適用し、後々トラブルに発展するケースも散見されます。 本質を理解し、うまく活用していくことが、成功への第一歩です。
続いて、“プロジェクト計画”に関するポイントを3点示します。
それに先立ち、Scrum(Agile手法の代表的な一つ)の進め方イメージ図を示しておきます。
こちらの図を見ながら読み進めてください。
<Agile(Scrum)の進め方イメージ図>
ポイント④:イテレーション*は、3~4週間が最適!
一般的にイテレーションの期間は、2~4週間といわれていますが、私の経験上、2週間ではちょっと慌ただしいです。
3週間~4週間に設定するのが望ましいでしょう。
当然、これに合わせて、開発単位の規模を調整するのがポイントです。
これによって、管理負荷が過剰に大きくなる事を防ぐ効果が期待できます。
*:Agile開発で用いられる短い期間で反復する開発期間単位の事
ポイント⑤:先送りタスクをこなす余裕を持つ!
イテレーションを進めていく中で、優先順位によりタスクの先送りが必要な状況が頻繁に発生します。
この先送りされたタスクをイテレーション中にこなすための時間・リソースに関する余裕(バッファ)を、
プロジェクト計画上持たせておく事が重要です。
(個々のタスクにバッファを持たせるのではなく、バッファを明確に切り出しておく事がポイントです)
これはAgileに限った話ではなく、通常のウォーターフォール型のプロジェクトにおいても、
熟練のプロジェクトマネージャは自然と行っていることだと思います。
ポイント⑥:計画時の作業見積りを細くしすぎない!
タスクの見積もりを行う際に、時間を細かく切りすぎない方が良いでしょう。
短くても半日ぐらいの単位で見積もるのが望ましいでしょう。
(1~2時間の見積もりは管理負荷を必要以上に高める要素になりますので、極力避けた方がよいでしょう。)
イテレーション計画をタスクに落とし込む際に工夫が必要です。
イテレーションのゴールを設定し、それを実現するために必要な機能単位の実装内容をストーリーとして定義します。
そのストーリーを実現するために必要なタスクを定義していきます。
この様に、具体化できる単位までトップダウンで落とし込むことで、タスクの粒度を調整していけばよいのです。
今回は、「Agile開発成功の為の12ポイント:前編」として、私自身の経験則からの“体制”および“プロジェクト計画”に関する
気付きを6点お伝えしました。
次回は、後編として“マインドセット”および“その他”のポイントを6点お伝えします。
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プロジェクトマネージャのためのAgile入門
2016.04.27
2016.05.04
2016.05.11