Digital化の波が押し寄せ、経営戦略が短期化されている今、経営の要望に迅速かつ的確に応えるための有効な手法としてAgile型の開発が改めて注目されています。 非常に魅力的な手法である一方、これを正しく理解せずに適用し、後々トラブルに発展するケースも散見されます。 本質を理解し、うまく活用していくことが、成功への第一歩です。
前編にてAgile開発成功のための12ポイント中6ポイント(ポイント①~⑥)をお伝えしました。
今回は、後編として残りの6ポイント(ポイント⑦~⑫)をお伝えしていきます。
早速、“マインドセット”に関するポイントを4点ご紹介します。
ポイント⑦:開発者自らのコミットメントが必要!
Agile型の開発の場合、開発者の生産性が如実に可視化されます。
このプレッシャーというのは、結構なものです。
開発者には、このプレッシャーに耐えれるだけのタスク遂行上のコミットメントが必要ということです。
本来は、プロフェッショナルとしてチームに参加しているわけですから、競争に晒されて切磋琢磨していく強さが必要ではありますが、実際の現場では、なかなかそうはいきません。個々のモチベーション管理が重要になる事は言うまでもありません。
ポイント⑧:全体最適の視点が重要!
開発者は、目の前のタスク消化に目がいき、部分最適に陥りがちです。
汎用性、共通化などの観点を取り入れて全体最適を意識する事が最終的な成果物の品質を高める事につながります。
前編のポイント②でお伝えした、“設計リーダー“がこの全体最適をとるための調整役を担うことができると考えます。
個々の開発者が高い視点を持ち、良好なコミュニケーションをとれるようなチームであれば、当然“設計リーダー“は不要です。
ポイント⑨:目的を見失わない!
目的が不明確な要件を明確化するためのプロジェクトであれば、システムの機能アップにリソースを割り当てすぎないように注意しましょう。
Agileによる導入を行う事とした目的をプロジェクト計画上明確にしておき、それを見失わないように都度確認する事が重要です。
イテレーションが進み、実際に動くプログラムを確認できるようになってくると、目的からそれた機能追加を必要以上に行いたくなるというのはありがちな話しです。
ポイント⑩:クライアントからの要件・要求は“絶対”ではない!
第1回記事の「Agileの本質」でお伝えした通り、Agile開発は、コストとスケジュールが不変であり、スコープが可変です。
クライアントからのスコープに関する要件は絶対的なものではないという事を理解しましょう。
ウォーターフォール型の開発経験が長い人ほど、この意識改革が困難です。(ウォーターフォール型の開発の場合、クライアントからの要件は絶対的なものです)
クライアントも含めたワンチームで協議しながら進めていくという意識をクライアント含めて全員が持つ事が重要です。
次のページポイント⑪:朝会(スタンドアップミーティング)は有効!
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プロジェクトマネージャのためのAgile入門
2016.04.27
2016.05.04
2016.05.11