個人が実行しアウトプットを出すためには、バリューを生み出すためのなんらかのプロセスがあるはず。そのプロセスさえきちんと持っていれば、どのような課題が降ってきても、対応でいるのではないか。アウトプットまでの個人的なバリューチェーンを考える。
実行によって成果を出す、つまり、仕事をする(結果として売上と利益につながる)ということは、仕事のアウトプットの質、量が優れているということだ。
そして、そのアウトプットの質、量を増やそうとするならば、当然、その前のインプット(結果、現状分析からくるイシューを含めて)を増やさなければならないし、アウトプットのための思考力やスキルも必要となる。
つまり、インプットからアウトプットに至るまでの、自分なりのルーティン、プロセスを持っていなければならないことになる。
どのような問題、課題、突然の指示にぶつかったとしても、状況を自分なりのプロセスにあてはめることができれば、何らかのアウトプットは出るだろう。そのアウトプットの質と量が十分なのかどうか、これが仕事の成果として評価されるのだが、その質と量を決めるのが、アウトプットを生むプロセスがしっかりしているかどうか、ということになる。
企業が競争戦略を描き、企業としてのバリューをいかに生み出すかを考えるうえで必要なフレームに、マイケル・ポーターが提唱した「バリューチェーン」がある。
バリューチェーンとは、「調達→生産→物流→販売」といったサプライチェーンに代表される、企業活動(技術開発や人材育成、組織、財務なども含む)が、段階を踏むごとにそれぞれに付加価値(バリュー)を生み出していくプロセスを概念化した言葉だが、企業の持つ宿命として、それぞれの段階で、付加価値を生み出し続けなければならない存在であることを説いたものでもある。
このバリューチェーンのひとつでも欠けてしまったり、ボトルネックになったりすると、組織として市場に通用する製品を生み出せなくなってしまう。
また、市場の中で競争力を持つ製品を提供し続けていこうとするなら、このバリューチェーンをリニューアルしながら、バリューを生み出す各プロセスをいかに改善、進化させていくかがカギとなる(しかもうまく連動できるように)。
企業全体でのバリューチェーンがあるということは、当然、ひとつの部門でもこのバリューチェーンは存在する。
たとえば、商品企画部門であれば、「調査・分析」→「仮説」→「検証」→「プロトタイプ/仕様決定」→「修正」→「製造」といったバリューチェーンになるかもしれない。
営業部門でも生産管理部門でも、同様に存在する。
普通に考えれば、組織が機能している限り、各組織が付加価値を生み出しているのは当たり前の話であり、もし生み出していないならば、それはそもそも業務が果たされてないか、業務プロセス構築の不備としか言いようがないのだが、実際の組織では、いたるところにボトルネックが存在している。
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2018.06.03
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