本当のプロフェッショナルとして、大きな仕事(成果)を成し遂げようとするなら、バリューチェーンそのものを改革しなければならない。
サラリーマンであろうが、フリーの個人事業主だろうが、会社の経営者だろうが、特に小規模の組織として市場に打って出る場合、バリューチェーンにおいて(仕事を通じて付加価値を生み出す業務プロセスだとする)、どこで勝負するか、あるいはしたいかを決めていくことは非常に重要なことだ。
ナレッジワーカーとして、「自分がその仕事をすることで、どのような付加価値が生まれるのか」を特定しなければならないということだ。
とはいえ、多くの人は、専門的な仕事をしているわけなので、本人的にはある程度の自信を持って仕事をしているだろうし、こんな思いを持っているはずだ。
「私はこの分野の業務管理においては誰にも負けない」
「プレゼンテーションの資料作りは得意だ」
「顧客ニーズに対応する業務系のシステム開発には自信がある」
などなど、いろいろあるだろう。
ただし、残念なことに、これらは大半が、いわゆる「担当」業務であり、言ってみれば、誰かが枠組みとしてバリューチェーンをつくってくれたからこそ存在価値があるということだ。
バリューチェーンとは付加価値を生み出す枠組みのこと
これまでのバリューチェーンの考え方は、大半が業務上のプロセスとして考えられていたケースが多く、その中で何ができるかを考えるに過ぎなかったともいえる。
これは、バリューチェーンをある種のサプライチェーンと考えてしまうために陥ることだが、サプライチェーンは、あくまで「モノ」の流れに着目し、顧客の手元にわたるまでのプロセスを考えるものであり、バリューチェーンの主役は、あくまで「バリュー」であり、どのように付加価値をつけていくかを考えなければならない。
仕事の流れの中の担当としてしか考えることができなければ、たとえその仕事がナレッジワークだとしても、その業務を担う一人のスタッフという意識から出ることはできず、バリューを生み出す一員にはなりえていないだろう。
しかし、バリューチェーンの中の一業務は、「今」の時点で考えれば、確かに素晴らしい存在なのだが、競争も激しいし、労働条件も厳しくなる(コスト競争になっていく)。
本当のプロフェッショナルとして、大きな仕事(成果)を成し遂げようとするなら、バリューチェーンそのものを改革しなければならない。
バリューチェーンそのものを生み出す
少し極論かもしれないが、ナレッジワーカーとして大きな価値を生み出すには、バリューチェーン(プロセス)そのものを生み出すことが必要となる。
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