女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)が、平成28年4月1日に施行されますが、企業は具体的に何から手をつけるべきか。 同法の概要と成立の背景と、すでに女性の働き方改革に取り組んでいる企業のケースをご紹介しながら、各企業の担当者が取るべき施策のヒントを探ります。
社内唯一の女性部長を委員長に、9人の委員全員が他の職務と兼務しています。兼務とすることで現場感覚にフィットした施策を打てるほか、活動に興味を持つ人材が自発的に参加しやすい組織が実現しました。
委員会は全社員を対象とした意識改革の施策を一斉にスタートしました。社員へ向けては「働き方」に関するアンケートを皮切りに、地方勤務経験のある女性社員が同じ立場の後輩を指導する「シスター制度」の導入や講演会の実施を通じて意識づけを図りました。
あわせて、トップの言葉が社員の意識も変えるとにらんだ同委員会は、女性活躍推進の方法を探る経営陣に向けたプレゼンの準備に着手。社員に向けてダイバーシティの考え方を浸透させつつ、現場の声を拾い集めて4分ほどの動画を制作し、経営陣へのプレゼンに臨みました。
現在は女性活躍推進法の施行に向け、全社の女性採用比率目標を30%に設定。女性の登用が進んでいない営業や生産などを中心に、部門ごとの配置目標の検証を進めています。
同社は女性活躍推進をきっかけに性別のほか国籍・年齢・障がいの有無をこえて働きやすい環境の整備を予定しており、今後の施策に注目すべき企業の一つといえそうです。
ケース2:東急リバブル株式会社~2つのワーキンググループの新設と3期にわたる段階的な施策で「東京労働局長優良賞」受賞~
Before
・女性管理職(課長クラス以上)2名(2012年)
・女性総合職採用比率5.2%(2012年)
対策
・経営陣への提言を手がける女性営業職と管理職層からなる「委員会」と、現場社員で課題を抽出する「カウンシル」の、2つのワーキンググループを設置
・2013年から2018年までを3期に分割。各期にテーマを設け、施策を実施
・2013年から2014年は、社員を支える制度(育児両立支援など)を中心に導入
・2013年から2015年は、女性社員・管理職の意識変革を狙う施策を実施
・2015年から2018年は、「働き方」と「職場風土」の改革に乗り出す予定
After
・女性管理職(課長クラス以上)6名(2015年)
・女性総合職採用比率23.6%(2015年)
・2015年均等・両立推進企業表彰「東京労働局長優良賞」受賞
東急リバブルでは、経営陣号令のもと行われた2012年の「ポジティブアクション宣言」からダイバーシティ対策がスタートしました。
掲げた目標は「2018年までの女性管理職比率10%達成」。営業職での女性社員の活躍を企図して、女性営業職と管理職層の各グループで経営陣への提言を行う「委員会」と、現場社員で構成し、委員会の提言を営業現場の視点からさらに深掘りする「カウンシル」の二段構えで施策を練りこみました。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
人材育成
2015.11.04
2015.11.11
2015.12.10
2015.12.16
2016.02.18
2016.03.09