会議をどう乗り切るか、ばかりに注力するリーダーは少なくない。会議を乗り切るのは実行なのだろうか。
戦略やプロジェクトの実行を考えるとき、「仕事」自体のゴールとは何かというテーマも、よく議題にはのぼるテーマではある。
ドラッカー風に言えば、仕事とは顧客を創造することだということになるのだろうが、簡単に顧客を創造できるビジネス・パーソンは多くない。
受注産業を生業とする企業の営業マンは、日々顧客の創造を行っているわけだが、多くのビジネス・パーソンは日常のルーティンワークを少しずつ改善しながら、数字としての結果を残そうとしている。
新規の顧客に提案する、新しくチャネルを開拓する、新しいサービスをつくる、業務プロセスを改善する、顧客を創造する方法はさまざまだが、現実問題として、顧客を創造する(同じ会社でも他部門や他担当者の場合もある)以外にビジネスを成長させ、売上数字という結果を伸ばす方法はない。
当然組織の中には、役割分担があり、それぞれの仕事をしているわけだが、それでもその仕事の向かう先、最終目的は「顧客を創造する」ことだ。
しかし、なぜかそうはならないマネージャーが多い。日々、ルーティンの仕事に邁進するスタッフを横目に、出てきた数字とにらめっこしている。
スプレッドシートの中に、新しい顧客はいないし、PCの中にもいないにもかかわらず。
では、何に関心があるかといえば、チームの生み出す成果そのもの(評価として顧客満足を得た、利益が増え新しいことができる、賞与を増やす)ではなく、その結果によって、どのような評価をされるか、(もっと俗的に言えば)次の会議をどう乗り切るか、ということになるのだろう。残念ながら、こういうことにしか興味ないマネージャーが少なからず存在する。
会議の目的とは、情報を双方向に伝達・共有すること、意思決定するためにアイデアを広げたり集約したりすること、一体感を持ちモチベーションを上げること、この3つが大きなポイントと言えるのだが、組織によっては、評価、裁定が行われる場合がある。
効果的な会議、意思決定の仕組みをつくるという観点からいけば、まったくナンセンスな話なのだが、これは意外にバカにできないことで、会議に対する緊張感はこれが原因で生まれることが多い。
会議での発表内容によって、自分の事業の把握状況、関与状況、市場の状況などを判断されることがあり、結果、感情的な要素が大きくなってしまい、場合によっては、成績数字よりも重要になることもある。
というよりも、数字の持つ意味が変わってくる。
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2016.03.04