戦略は大事だが、戦術も重要だ

2008.01.18

経営・マネジメント

戦略は大事だが、戦術も重要だ

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

企業が持続的に成長できる最大の鍵は、 独自の「事業立地(誰に何を売るか)」 を選択することです。

これは、「戦略立案」の問題。

「戦略立案」とは、船で言えば、
どの方角に向かうかを決定することに等しく、
その決定を行うのは船長の役割ですよね。

同様に、企業の戦略立案は、
企業の舵取りを行う

「経営者」

が行うべきことです。

したがって、企業が成長できるかどうかは、
経営者の力量にかかっています。

三品和広氏(神戸大学大学院経営学研究科教授)は、

「良い企業は存在しない。良い経営者がいるだけだ」

と断言しています。

しかし、経営者が優れていればそれだけでOK
というわけではありません。

もうひとつ、戦略に基づく現場のオペレーション、
すなわち「戦術」を着実に実行できる、

「優れた現場の人たち」

がいなければならないはずです。

つまり、戦略も重要だが、戦術も同じくらい重要。

とりわけ近年は、
おいしそうな事業立地があると、
われもわれもと企業がそこに殺到する。

このため、

「戦略的な差異(競争優位性)」

を生み出しにくくなり、
勝敗の分かれ目は戦術レベル、
つまり、

「現場のオペレーションの優劣」=「現場力」

にかかってくきます。

この「現場力」の重要性を強く主張されているのは、
コンサルティング会社、ローランドベルガー会長の
遠藤功氏です。

遠藤氏によれば、

「良い現場」と「悪い現場」

があります。

良い現場には、自律神経が通っていて、
思考回路が回っています。問題を自分たちで発見し、
解決策を生み出し、粘り強く対応できる。

悪い現場は、その逆、自分たちで考えることをしない、
いわれたことだけをロボットのようにこなすことしか
できない社員しかいません。

したがって、経営者としては、

独自の「事業立地」を選択する

という戦略的意思決定とともに、
優れたオペレーションが遂行される

「良い現場」

を作り上げ、維持することも求められます。

どうやって「良い現場」を作るかという点については、
遠藤氏の一連の著作、また文末に示した遠藤氏の講演
レポートが掲載されているサイトを参考にしてください。

ここでは、私が半年ほど前に体験した

「悪い現場」

の例をひとつご紹介します。

最大手の居酒屋グループの「マネ」が得意な
某居酒屋グループがありますよね。

その某店舗での話です。

お店には、上京してきた高校時代の親友と
2人で入りました。

その店を選んだのは、

「ビール半額セール」

をやっていたからです。

2時間近く飲んだ後、
私がトイレに立つと彼も後からやってきました。

期せずして「連れション」になっちゃったんですね。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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