赤くて小さい果物の日ではなく、高校受験を控えた15歳の若者たちへエールを送る日です。
今日、1月5日は「いちごの日」です。
赤くて小さい果物のいちごではなく、15歳という世代を代表した「いちご族」を意味するそうです。高校受験を間近に控え、人生の転機のひとつを迎えたこの世代へエールを送る日です。制定の団体や由来は定かではありません。
「いちご族」という言葉を浅学にして知らなかったので調べてみましたが、「いちご族」という語は、今は使われていないいわゆる死語のようです。
1980年代の後半に、団塊ジュニアが15歳になった頃、彼らを指して「イチゴ世代」と呼んだという話はありますが、直接は関係なさそうです。「いちご族」でGoogle検索すると、台湾の「草莓族」と言う言葉が上位にヒットします。こちらは80年代以降に生まれた台湾の若者のことだそうです。「外見は成熟しているが内面は幼稚」とか「つぶれやすい、挫折しやすい」といったマイナスイメージで使われる言葉なので、15歳にエールを送る日には適さないようです。
さて、15歳にエールを送るといえば、アンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓 十五の君へ~」というヒットソングを思い出す方も多いことでしょう。2008年リリースのこの歌は、中学校の音楽コンクール課題曲として作られました。15歳の僕と、未来の僕の間で交わされる往復書簡のような歌詞で、まさに「負けそうで泣きそうで消えてしまいそうな」15歳の僕に「自分の声を信じ歩けばいい」とエールを送る歌です。
15歳というのはたぶん、自分が思っているほど大人ではなく、周りが思っているほど子供ではない、そういう中途半端な年頃なのです。この歌を聞くと、自分が15歳だったときの心細さを思い出します。
父の転勤に合わせて関西の中学から関東の高校を受験することになり、一人で新幹線に乗って受験に行きました。「しっかりした子だから大丈夫」と言われて一人で送りだされたものの、本当はとても不安でたまらなかった。親戚の家に泊まり、翌朝お弁当を持たせてもらいましたが、試験会場でどうしても食べることができなくて、中身だけ捨てて空の弁当箱を持ち帰りました。精いっぱい虚勢を張っていたのだろう15歳の自分が、ちょっといとおしくなります。
誰もが通り過ぎる15歳という不安定な年頃の若者たちに、心からエールを送りたい「いちごの日」です。
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