総論賛成、各論反対。これは改革当事者の心理的障壁をよく表しています。改革の方向性はOKなんだけど、自分に関わるところ、こだわるところの「つぼ」がNG。それじゃあ、この部分だけは残しておいて、先にこっちだけやりましょう。その後、様子を見てまた改めて・・・。
B.片方の犠牲を特定する
あっちがよくなるなら、こっちはこれくらいは大丈夫というトレードオフの考え方です。この場合、評価指標は2つになります。たとえば、リードタイムを5%改善するなら、不良品率を1%まで許容する。売上が20%増なら、コスト10%増まではOK。などという交換条件により対立障壁をなくす方法で、この2つの指標をトレードオフ指標といいます。
C.両立させる
あえて二兎を追う、一驚両得のやり方です。たとえば、業務目標の達成と人材育成の推進は、限られた業務時間の中では相対する障壁となるとすれば、日常の業務遂行の中でいかにして人材育成もやってしまうという発想の転換をすることです。そのためにはどうしたらよいかということを考えて、対立障壁をなくしていきます。結局は企業利益の最大化を大目標としていますので、よく考えれば両立のための解決策は見つかるでしょう。ただし、対立点が美辞麗句で曖昧にされてしまい、総論賛成各論反対の罠に陥ってしまわないような「仕掛け」作りがどうしても必要です。
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変革を科学する
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株式会社インサイト・コンサルティング 取締役
わたしはこれまで人と組織の変革に関わってきました。 そこにはいつも自ら変わる働きかけがあり、 異なる質への変化があり、 挑戦と躍動感と成長実感があります。 自分の心に湧き上がるもの、 それは助け合うことができたという満足感と、 実は自分が成長できたという幸福感です。 人生は、絶え間なく続く変革プロジェクト。 読者の皆様が、人、組織、そして自分の、 チェンジリーダーとして役立つ情報を発信します。