サプライヤモチベーションマネジメント

2015.04.02

経営・マネジメント

サプライヤモチベーションマネジメント

野町 直弘
調達購買コンサルタント

サプライヤモチベーションマネジメントの重要性とその手法について述べています。

モチベーションマネジメントの事例や手法をネット等で調べると、多くは従業員のモチベーション向上について捉えたものです。所謂B2E(Employee)の領域ですが、この領域でのモチベーションマネジメントの研究や手法開発は多く行われています。B2Eのモチベーションマネジメントの施策についてこれらの重要なポイントをまとめると以下のような5点にまとめられます。

1.ニーズや願望を理解しリーダーシップを示す
2.成長やそのための機会を与える
3.意味のある仕事をやらせる
4.表彰と報酬
5.人に焦点をあて、評価され耳を傾けられていることを理解させる

これらはB2Eのモチベーションマネジメント施策のポイントですが、よく考えてみるとB2Bでも同じことが言えることがわかります。当てはめてみると。。

1.(サプライヤの)本来のニーズや願望を把握する
:サプライヤの本来のニーズとは何でしょうか。私が尊敬するあるコンサルタントがおっしゃっていました。「サプライヤの本来のニーズは継続的な売上の確保でも、収益の拡大でもない。サプライヤの経営者は買い手企業との取引を通じて自社の競争力が強化され、他社の売上向上にそれがつながっていくことを望んでいる」と。

2.(サプライヤの)成長やそのための機会を与える
:1にも関係しますが、サプライヤにコストダウン活動をさせることは、サプライヤ自身の競争力強化やそれに基づく他社も含む売上げ拡大の機会を与えることにつながります。ですから意味のあるコストダウン活動はサプライヤに機会を与えることにつながるのです。

3.(サプライヤにとって)意味のある仕事をやらせる
:あるサプライヤは「どのような仕事をやりたいか」と聞かれたときにこう答えたそうです。「儲かる仕事、、ではなく後世に名が残る仕事、難しい仕事をやりたい」と。

4.(サプライヤの)表彰と報酬
:サプライヤに対する表彰制度を持っている企業は少なくありません。一方で表彰自体がマンネリ化しているケースも少なくありません。しかしサプライヤにとってみると、バイヤー企業に「よくやってくれた。」と本心から言ってもらえることはとても励みになります。大切なのは「本心から」表彰すること。
また報酬についてはリーズナブルな報酬を求めます。ボロ儲けしたい訳ではなく、仕事に応じた赤字にならない報酬を与えられることが重要なのです。

5.(サプライヤが)評価され耳を傾けられていることを理解させる
従来から申し上げ続けていますが、サプライヤとの間では双方向のコミュニケーションが求められます。そのためにはサプライヤの本音を聞く場やそのためのVOS(Voice of Suppiles)の活動は非常に有効です。サプライヤの声を聞きそれを改善につなげるという活動はサプライヤモチベーション向上に有効であることは自明の理でしょう。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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