先進的な企業に見られる購買部門長による購買部門の共通の動かし方とは何か?
最後の共通点は「部門長の思い」です。
3社のクレドの最後にはいずれもその指針を作成した年月と部門長の名前(署名)が記されています。加筆や修正もあったでしょうけど、何れも部門長自らの思いを語っているものなのです。そういう意味では部門長の思いを価値観として伝え、その価値観を共有することを目的にしています。1社のクレドの最後にはこういう言葉が書かれています。「誇りと責任を持って、日々の仕事に取り組んで欲しい・・」
また、別の1社のクレドにはこう書かれています。「その業務を通じてワクワクするような職場体験を・・業務に従事し、・・」もう1社のクレドには「ただ単に自分の立場ばかりが有利になることに没頭することを避けること」と明文化されています。このようにいずれの会社のクレドも「部門長の思い」を価値観として共有させることを意識したものになってるのです。
これらのクレド(行動指針)を作られた企業の調達部門は非常に困難な取り組みや先進的な取組みを成功されている企業です。これらの企業は中長期にわたり調達部門が何を果たすべきか、そういう中でバイヤー各人がどのような役割を果たしていくべきなのか、これらを良く考えている「ぶれない芯」を持っている企業なのです。逆にこのようなクレド(行動指針)を作成することで部門長が持っている「ぶれない」
を多くの部員に対して伝えていくことを目的にとしているのではないでしょうか。これからますますグローバル化が進む中で企業はますます多様化した多くの部員を抱えていくでしょう。このような時代背景下このようなクレド(行動指針)を持つことはぶれない芯や思い、価値観の共有には欠かせないものになるでしょう。
そろそろ人事異動の時期です。新しい部門長は自分の伝えたい思いをこのようなクレド(行動指針)をして作成することから始めてみてはいかがでしょうか。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。