多くの企業は誤った目的(短期的なコスト削減と購買システムの導入)の元にあまりにも近視眼的な活動を何度も繰り返しているだけではないでしょうか。これがこの十数年間の間接材購買の過ちと私は確信しております。
ここまで書いてきて既に読者の皆さんは理解されたことでしょう。
間接材の支出可視化や管理には「購買システム」や「品目別のコスト削減活動」だけでは達成できないのです。それ以外にも間接材購買や支出に係るルールやガイドラインの作成と社内での徹底が必要になってきます。
ですから一過性のプロジェクトで推進するのは無理です。
もっと腰を据えた改革を調達購買部門だけでなく、ユーザー部門や経理・財務部門などにも手間をかけてもらって実施させていく「覚悟」が必要となります。
それではそのためには何が必要なのでしょうか。
まずは目的の再確認です。
間接材購買を何を目的に進めるのか、単なる一過性のコスト削減なのか。
購買システムの導入は手段であり目的ではありません。
経営者にとって支出の可視化、管理の範囲や精度を上げ「継続的に適正な買いモノができる企業体質や仕組みを作っていく」これが本当に重要なことであり本来の目的ではないでしょうか。
言うまでもなくこの目的は間接材、直接材関係なく共通する目的です。
しかし、この目的を100%達成することは容易ではありません。
当然のことですが、全ての品目、全ての金額、できれば事後ではなく事前に関与したい、これらは当たり前の話です。しかし、まずは事後でデータだけでも収集できればよい、とか、金額基準をもうけて幾ら以上の案件から把握していきましょう、でも構わないのです。重要なのは、目的(100%)に向けて一歩ずつでも良いのでそこに向って前進していることです。
多くの企業は誤った目的の元にあまりにも近視眼的な活動を何度も繰り返しているだけではないでしょうか。これがこの十数年間の間接材購買の過ちと私は確信しております。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。