「ベンチャー企業政府調達で優遇」に思うダイバーシティ

画像: reynermedia

2015.07.10

経営・マネジメント

「ベンチャー企業政府調達で優遇」に思うダイバーシティ

野町 直弘
調達購買コンサルタント

欧米ではサプライヤダイバーシティという概念は当たり前のモノですが日本の場合は遅れています。

最近議会での女性に対するセクハラ野次が話題になっています。一部の議員が謝罪しただけで大きな問題にはなっていないようですが、これが海外(特に米国)などでは考えられません。そもそも「野次が議場の花」と言っていること自体が私には品性を疑うようなことに感じます。だって普通の会社や何かの発表の場で「野次る」ことってあり得ませんよね。それ以上に時代感覚のずれを感じたのは、野次がセクシャルハラスメントにあたることだったことです。日本以外ではこのようなことが明らかになれば責任を追及され、辞任せざるを得ないでしょう。

2000年前後のことですが、私が勤めていた外資系の企業ではCSR(ソーシャルレスポンシビリティ:企業の社会的責任)は当たり前の概念でした。その後日本企業でもCSRやCSR調達が当たり前のことと捉えられるようになりましたが、それはここ数年のことです。またその当時、勤めていた企業でしきりに言われていたのがダイバーシティ(Diversity:多様性)でした。

ダイバーシティ(多様性)とは:「幅広く性質の異なるものが存在すること」「相違点」を意味します。また、 このダイバーシティ(多様性)を活かして、『さまざまな違いを尊重して受け入れ「違い」を積極的に活かすことにより、変化しつづけるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに最も効果的に対応し、企業の優位性を創り上げる』ことが求められており、最近ではダイバーシティマネジメントという経営用語もでてきているようです。

米国ではダイバーシティは調達・購買分野でも既に必須の要素です。
多くの公的機関では、女性及びマイノリティ(少数民族)が経営する企業の契約案件への参画の数値目標を設定しています。例えばメリーランド州ではマイノリティ企業の参加目標値を25%に設定。
民間企業においてもマイノリティ企業からの購買率をレポートすることが義務付けられており、各企業においても数値目標を設定しているのが一般的です。

ISM(Institute for Supply Management)の発表している"Supplier Diversity Survey - 2011"によると380社の回答企業の約2/3の64.7%の企業がSupplier Diversity Programを持っていると回答しています。またISMではCPSD(Certified Professional in Supplier Diversity)という資格制度を設置して「サプライヤダイバーシティ」についての教育や資格認定までも行っているようです。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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