重要なのはキャリアプランです。
ある調達関連の研究をなさっている方は業種や担当品目によってより専門的な知識が求められる調達人材とそうでなくゼネラルな知識や能力が求めれる調達人材に分かれる、という指摘をなさっていました。これもその通りだなと感じます。このように担当品目によっても求められる知識、スキルが異なるということも非常に興味深いです。
求められる知識、スキルが異なる人を育成するためにはそれにあったキャリアプランをいくつかのパターンで想定しておくことが必要となります。
例えば、各事業のCPO(チーフプロキュアメントオフィサー)候補には、専門職採用を行い、そこから何部門か経験させた上で、海外子会社の購買部長を経験させて、CPOを育成する。とか、より専門性が求められるバイヤーについては専門職採用でたたき上げる、もしくは、中途採用でエキスパートを求めていく、とか、ゼネラリストとして養成するのであれば、社内外での調整役としての能力を磨くために必ず若いうちに調達・購買部門の経験をさせる、等々。
何故ならキャリアが人を育てていく上で一番重要なことは間違いないからです。
その上でキャリアプランやキャリアを考える上で欠かせない視点はこういうこと。
「調達・購買業務遂行に必要な知識スキルとは何か」だけでなく「調達・購買業務を経験することで身に付けなければならない(身に付けられる)知識・スキルは何か」なのです。
拙著「はじめて読む知識 調達・モノを買う仕事」日刊工業新聞社の「はじめに」で私はこういうことを書いています。
『私の社会人生活のスタートはある自動車会社の原価・購買部門から始まりました。その当時は、毎日、業務に追われるだけであり「バイヤーがどうあるべきか?」など考える余裕もなかった。また、正直な話購買業務を面白いと感じたこともありませんでした。社内と社外に挟まれ、その調整に追いまくられる日々、コスト削減はしなければならないがネタもなければスキルもない、ウインーウイン等は言葉だけであり結局は利益配分の調整をしているだけ。たまにやりがいを感じることはありましたが、毎日追い詰められており、誰のために仕事をやっているのかわからない。これが実感です。
私は人と比べるとどんなことでも納得しないと前に進めない性格。諸先輩からは
「野町は要領が悪い!」と言われながらバイヤーの仕事をこなすのに一番必要なのは「要領の良さなのか?」とも思っていました。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。