第64回NHK紅白歌合戦が開催されたのは、先週の火曜日。綾瀬はるかの天然色豊かな司会っぷり。まさかの大島優子の卒業宣言。あまちゃん復活リレー劇。巷には、語り足りないことが、まだまだあるようだ。
②「歌の力」に自覚のないアイドルへのアンチテーゼ。
女性アイドルグループのほとんどが口パクである。もはや、歌わされているんじゃなくて、踊らされているだけ。年配者が視聴する最終集計で、1.83倍の差がつくのは、こういう「歌の力」を蔑ろにする芸能界に対するアンチテーゼだと考える。
秋元康のプロデュース力には、頭が下がる。凄い。羨ましい。しかし、第64回NHK紅白歌合戦で大島優子の卒業宣言をさせるのは、いただけない。きっと今回のことが、AKB商法のひとつの大きな節目になる気がする。
自覚のないアイドルをプロデュースするから意味があるのであって、アイドル個人が全国の大衆の前で間違った自覚をする姿を晒すのは、どうも違う。NHK紅白歌合戦は、日本国民から見たら「凄いね」「さすが」「見直した」の祭りでなくてはならないのである。そこで、「たかが」という感情を芽生えさせてしまったAKB48の未来を危惧する。
③白≒男性を推す愛国精神。
第64回NHK紅白歌合戦には、あのKポップも外タレも居なかった。唯一の海外中継は、台北からである。隣国である韓国や中国の影は一切なかった。NHKが日本のミュージシャン、芸能人のみを選出したことには、政治的配慮があると見て間違いない。大衆は、口に出さなくても、どこかで強い日本を求めている。凛とした日本を望んでいる。男に向かう風が、いまこの日本には吹いている。大御所・北島三郎さんが歌う「祭り」による大団円は、その象徴を見ているようだった。
・・・で、NHK様にご提案である。白組優勢の傾向は、まだ続くと思われる。国威発揚的要素も組み入れることを考慮するのであれば、もう「紅白の総合的な勝ち負け」なんてどうでもいいことではないか?「歌合戦」ではなくNHKの総力を結集して送る「芸能音楽バラエティ番組」に生まれ変わってみてはどうか?
「第157回『おら、紅白でるど』」と題して、アキ、ユイが紅白の舞台で再結成。北三陸の地元を出ることが叶わなかったユイちゃんの夢を叶え、春子、ひろ美が「潮騒のメモリー」を歌い継ぐあまちゃん総キャストによるシーンには、娘にバレないように涙した。51歳のオヤジでも、まだ頑張れるのではないかと熱くなった。このバラエティとしての完成度の高さに可能性を感じた。
NHK紅白歌合戦は、終わったコンテンツではない。
NHK紅白歌合戦こそが、いまのニッポンの民意なのである。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。