スーパーや処世術におけるEDLP戦略は日本の主婦の購買特性に加え、最近の円安の影響を受けて、益々厳しい局面にきています。
身の回りのモノやサービスの価格が上昇しつつあります。長く物価下落の「主犯」とも言われたデジタル家電や情報機器に底入れ感が出てきた上に、円安による輸入原材料の高騰を受け、7月からは食品の本格的な値上げも始まりました。
食用油や小麦粉、マヨネーズやパンなどのメーカー出荷価格引き上げが相次いでおり、円安や原材料高を映し2~12%引き上げてきており、2008年以来の値上げラッシュとなるようです。
スーパーでは昨年、価格引き下げ等の施策を各社打ち出していましたが、今年の夏は、EDLP戦略をとっているスーパーにも消費者にも厳しい夏になりました。
EDLPとはEveryday Low Price の略で、特売期間を設けず、各商品を年間を通じて同じ低価格で販売する価格戦略のことです。これに対し、特売により価格を変動させ、集客を図り特売品以外も購入させる手法は HILO(High-Low Price の略)と呼ばれています。EDLPで有名なのはウォルマートであり、HILOは日本の地場スーパーの得意手法です。
EDLPはひらたく言うと、「1年間財布を預けてもらえれば、特売目当てで買いまわって過ごすよりも1年通じるとトータルで結局はお得なんですよ!!」という戦略です。
夫婦関係で言うと、「チョロチョロ悪さをしているけど、信頼してつい行けば結局は人生で得するダンナだよ!」といったところでしょうか。日々の行動でグダグダ言われたら、「おれはEDLP戦略でおまえを守っているんだ。安心して俺についてこい!!」と言ってやりましょう。
しかし、日本の主婦は長期的な視野でなく、目の前の特売あさりがやっぱり好きなので、強気に出すぎて特売探しに行って帰ってこなくなるので、要注意です。
EDLP戦略は日本の主婦相手に注意が必要な上に、円安の影響を受けて、益々厳しい局面にさしかかっているのです。
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2009.02.10
2015.01.26