目標の種類と、設定時の注意点について。
「期待目標」「到達目標」という分類もあります。学校現場ではよく使われる言葉ですが、期待目標は、期待できる最大限のレベルを表すもので、挑戦的な高い目標のこと。到達目標は、確実に達成・到達してもらわないといけない、最低限の目標です。要は、目標の難易度の差なのですが、例えば「業績目標」における「期待目標」と「到達目標」といった具合に、上に書いた3つの目標に、レベルを設定することも可能だということになります。ちなみに、この二つの目標をそれぞれ、「チャレンジ目標」「必達目標」と言い換えている会社もあります。
また、目標の設定に当たっては、次の2点に気をつけなければなりません。
一つは、組織の目標と個人の目標を、しっかり関連づけること。個人が掲げた目標を足し合わせていったときに、組織の目標に対して過不足がある状態ではいけません。皆が頑張ったけれども、全体としては駄目だったとなりかねないからです。
二つ目は、評価・測定しやすい表現かどうか。達成されたような感じもするし、そうでもない気もする。後でそうならないためには、時期を明確化すると共に、達成の基準やレベルや状態を具体的に表現することが必要です。以前に見た、ある管理職の方の目標に、「労働生産性の向上」とありましたが、数値や時期で達成基準を示しておらず、評価・測定できない典型例と言えるでしょう。「新商品の開発」とか「・・・企画の提案」といったものも同じ。開発とか提案といっても、色々と考えられるので、社内決裁とか発売決定とか導入といった、文言にしなければ評価が難しくなります。
目標設定は、難しいものです。SMARTの法則(スペースの関係でここでは触れませんが、検索すればすぐに出てきます。)といった簡単なフレームを学んで、すぐに上手に目標が設定できるようにはなりません。しかしながら、目標とはマネジメントのスタートなのであって、惜しみなく時間をかけて取り組むべき重要な仕事です。だから、管理職の思考の中身や本気度を知ろうとするなら、その目標設定シートを見るのが一番。優れたリーダーは例外なく目標設定が上手だと思います。
高齢者の充実したライフスタイルを提言する、「老いの工学研究所」
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。