社会からいじめを少なくしていく、そのためには、ありとあらゆることをしなければいけません。 ここでは、「自尊感情」を育むことを、その方法として取り上げました。何かのヒントになれば幸いです。
30日(8月)、文科省にて開催された、第81回初等中等教育分科会に出席してきました。
最初のテーマが「いじめ問題に対する取組について」。
会議中、分科会長代理の安彦忠彦氏(神奈川大学特別招聘教授)が、下記のような趣旨の発言をしました。
「いじめる子は、自尊感情が低い。自尊感情を育まなければ、誰だっていじめっ子になる可能性がある。」
傍聴席で「うんうん」と頷きました。
自尊感情―初めて聞く言葉、って方もいらっしゃるかもしれません。
コトバンクによると、「自分には価値があり尊敬されるべき人間であると思える感情のこと。」と説明されています。
この感情が低いと、いじめにつながるのです。
「いじめっ子のタイプは?」― 「子育てナビ」の記事より
「いじめについて」―益田市立吉田小学校のおたより、より
「人権講演会 今を生きる」―兵庫県立加古川西高等学校育友会より
これらの記事、および教育学者の安彦忠彦氏が、中教審の分科会という大きな場で発言されることから、「間違いない」と思いませんか?
そして…残念ながら、日本の子どもは、米中韓の3つの国に比べ、自尊感情がとても低いという結果が、財団法人日本青少年研究所の調査で明らかになっています。
「自分を価値ある人間と思う自尊感については、米中韓の半分以下の水準である」―青少年意識調査概要より。
※PDFリンクはこちら。
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/reserch/2012/gaiyo.pdf
日本社会からいじめの発生を極小化させるためには?の解として、「自尊感情を育むこと」は落とせない項目だと断言できますね。
そのためにできること。
何よりも、子どもを「褒める」機会を増やすことが大事です。
これは、先日、三島市で講演された、教育評論家の親野智可等さんも、何度も強調されていました。
山形新聞のサイト「わいわい子育て」の親野さん講演会のレポートにも書かれています。
http://yamagata-np.jp/kosodate/alacarte/alacarte109.html
「褒める」ことと「甘やかす」あるいは「おだてる」ことは、形だけ見るととっても似ていますが、本質は全然違います。
「褒める」こととは、実際に「良い」と思えるところを発見して、それを表現すること。ここには保護者の積極的関与と、子どものためを思う真剣な気持ちの投影があります。
「甘やかす」こととは、良いことではないことを放置したままにしたり、「自分の子」だけを過剰に守るために「~ちゃんはいい子だからね」と表現したりすること。ここには保護者の消極的関与と、子どものためではなく自分自身のためという保護者自身の欲の投影があります。
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