2012.03.28
高校生のコミュニケーション能力、規範意識、社会参画の態度は?
寺西 隆行
(株)Z会
文科省、高等学校教育部会、第6回で扱われた内容が、若者と「社会との関わり」について考えさせる内容でしたので、多くの皆さんにご協力をお願いしたく…ここで取り上げてみました。
好意的にみれば、譲り合いの精神が出ている、と見ることもできますが、「困っている人を見たら、頼まれなくても助けてあげるべきだ」と答える傾向は、アメリカやイギリスに比べて低めです。
日本人の心の美しさは受けつがれつつも、横並びを「心地よい」と感じる人が多い裏返しのような気がしてなりませんし、誤解を恐れずに言えば、堂々と「自由」を選択し、選択した責任を自分で受け止め、他人の目を過剰に意識せず行動する力の育成が、今後のグローバル社会ではより必要になるのでは?と感じます。
◆家族以外の異なる世代の人々との交流について
「ほとんどない」「まったくない」と答えた中高生が約半数。
現実的な数値を知った上で…社会の中で「コミュニケーション能力」の向上を求めるのであれば、異世代の人と交流ができる「機会」を、学校教育の中で、あるいは家族からの配慮で、もっと意図的に創っていく方がよいのでは、と思います。
地域コミュニティが数十年程度前より機能しなくなった以上は。。。
◆社会参画の現状の態度について
「私個人の力では、政府の決定に影響を与えられない」と思う割合が、日本の中学生では70%強、高校生では80%もいるのに対し、韓国ではそれぞれ半数程度、中国と米国に至っては半数を切っています。
また、「社会のことはとても複雑で、私が関与したくない」と思う割合も、日本の中高生は約半数に対し、韓国は40%程度、中国・米国は20~30%程度。。。
国際的にみると、日本の中高生の方が、社会参画に対する主体性がない、と言わざるを得ません。
…といって、中高生は“そのように育てられた”だけですので、そうなってしまう責任は、大人にありますよね。
まずは、身近な大人…つまり、保護者が、政治、社会に積極的に関与する姿勢を見せるのが第一歩。
加えて、関与した結果、何か政府が動いた、と、中高生をして思わせる結果~成功体験~を生むのも大切です。
後者について保証はできませんが…少なくとも僕自身は、自分の娘の前では、前者の姿勢を保っていこうと思いました。
18歳から24歳までの政治に対する関心そのものは、韓国やアメリカとほとんど変わらないことがデータで示されています。
加えて、平成10年時点より、若者の政治に対する関心度は高まってきています。20歳代の投票率なんて、40%弱→50%近くに急上昇してますよね(資料15、16ページより)。
「若者よ、投票に行こう!」という声に応えてくれつつある若者たちに対し、問題点を変えていけるんだと感じさせる、実際に問題点を変える、などのことは、すべて先輩たちに課せられた重大な責務ではないでしょうか。
他、資料の最後では、コミュニケーション能力、規範意識、社会参画の態度を育むための提言がされておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
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