これから我々が目指していかなければならないのはこのような企業内の改革推進者を如何に『生み出し』『育てていく』かです。そのためには「叱る」「命令する」「提言する」だけでは難しいのです。
『インフラ(Infrastructure)』は主にIT技術などの活用になります。
調達・購買改革だけではないですが、業務改革の基本は標準化です。標準化した業務を統制していくためにはIT技術は非常に有効です。特に調達・購買業務は社内外に多くのステイクホルダーが存在しています。これらの多くの関連者の情報共有や管理のためにはどうしてもITの力が必要なのです。
最後は『実行力(Execution)』です。この力を持たせるのが一番難しいでしょう。
但し『実行力』を持たせるためには何か上手い方法があるかというとそうでも
ありません。私がいつも心がけているのは「制約を取り除く」ことです。そのために私を上手く使ってもらいます。ただそれだけでなかなか『実行力』が見につくかというとそうでもありません。とにかく試行錯誤、現場に張り付きながら進めることです。
いずれにしてもこれらの4つの力をキーパーソンに持たせることで、自発的な
改革推進者、よく外資系企業では”Change Enabler”と呼びますがを生み出し、育てていくのです。
繰り返しになりますが、今後はこのChange Enablerがいるかいないかで企業改革力の有無が決まることでしょう。
追伸
1月28日に第34回購買ネットワーク会として
「2012年を読み解く~調達・購買の攘夷論がこれからはじまる」会が
開催されました。購買ネットワーク会については既にご存知な方も多いとは
思いますが、2005年に私と弊社取締役の坂口が立上げた購買・調達関連業務に
従事する方の情報交換や交流の場です。2005年7月の第一回目は7人の
出席者でした。それが今回の会ではなんと約180名の方が御出席されました。
180名というと確実に日本最大の調達・購買関連業務従事者の集まりになります。
いずれにしても多くの皆様方に御参加いただき有難く思っております。
特に歴代幹事の皆様方にも感謝しております。
またこれだけの規模に育った購買ネットワーク会に感慨無量でした。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。