これから我々が目指していかなければならないのはこのような企業内の改革推進者を如何に『生み出し』『育てていく』かです。そのためには「叱る」「命令する」「提言する」だけでは難しいのです。
坂口孝則氏は著書「思考停止ビジネス」の中で「人気のあるコンサルタントとはクライアントを叱ってくれる人だ。叱りつつ無理やりにでも会社の方向性を決めてくれる人が、実は人気がある。・・・研修でも、もっとも人気がある講師のウリは『受講者を叱ってくれることなのです。』と聞かされた。」と述べています。
確かにその通りです。
ただ私自身がどうかというと「叱る」「命令する」ことは極めて下手です。むしろ私のコンサルタントとしてのスタイルは「できることから始めましょう」であり、できないことや何らかの制約があって実現できないことをむしろ条件として受け入れるようなやり方をしています。(だから人気がない、、のかもしれませんが)
しかし、前回も書かせていただきましたが、調達・購買部門が革新的であり若手の社員がイキイキしている企業、つまり調達・購買改革力がある企業には必ずと言っていいほど意識の高い改革推進者が存在しています。これから我々が目指していかなければならないのはこのような企業内の改革推進者を如何に『生み出し』『育てていく』かです。そのためには「叱る」「命令する」「提言する」だけでは難しいのです。
それではこのような改革推進者を『生み出し』、『育てる』ためには何が必要でしょうか。
私は4つの力が必要だと考えています。その4つとは、
『意識(Awareness)』
『手法(Method)』
『インフラ(Infrastructure)』
『実行力(Execution)』です。
『意識(Awareness)』は正に改革に対する意欲です。
これは多くの企業の場合、既に持っている方がどこかにいらっしゃいます。その改革推進者が組織内に埋もれてしまっていることも少なくありません。何らかの改革を始める場合「あるべき像」と「ありたい像」を徹底的に討議し、共有する。「あるべき像」「ありたい像」の仮説をイメージするために多くの先進的な事例を共有する、また他社の改革推進者の声を聞かせる、等々、、意識の高いキーパーソンの発掘とともに高い意識の醸成を促していく必要があります。
『手法(Method)』は理解していただけると思いますので詳細は割愛しますが、これは改革推進者に有益な道具を持たせることにつながります。プロジェクトの進め方やタスクの設計だけでなく、パワポ1枚のフォーマットも場合によっては有益な道具になります。もう一つ大切なことは『手法(Method)』は現場で使ってみてブラッシュアップさせることです。改革推進者はその時のノウハウを常に成長させることができる力をこれにより持つことができます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。