2012年度のセンター試験がこの週末に行われました。 1990年に始まったセンター試験。20年以上続いていますが、フツウは「自分の受験した年のセンター試験事情」しか知りませんよね。 今週はセンター試験の記事もたくさんメディアに掲載されるでしょうから、「今のセンター試験ってこうなっている!」という、ちょっとしたネタの提供を。
たとえば、センター試験の「科目」の中に「理科総合A」というものがありますが、これは「センター試験の問題として用意しました」というだけで、この科目を受験しても東大には出願できません。
他の例で言えば…2012年度の試験科目に「倫理」「政治・経済」そして「倫理、政治・経済」というものがありますが、だからといって“俺、倫理はめちゃめちゃ得意だけど政治・経済は苦手だから「倫理」で受けるわあ”と単純にはなりません(2012年度の東大出願では必ず「倫理、政治・経済」の科目選択が必要、など)。
受験生の保護者の立場では、センター試験の出題科目の変化を見るだけではなく、お子様の志望校がセンター試験で何を課しているかまで見る必要があります。
◎「教科」と「科目」の違い
教科は「外国語」「数学」「国語」「理科」「地歴」「公民」の6教科のことで、この中で「英語」「韓国語」「物理」「日本史」…などに分かれているのが「科目」です。
大学に出願に必要な「科目数」としては「7科目」がメジャーで、標準的な出願パターンは
○英語・国語・数学①・数学②・地歴 or 公民の1科目・理科の2科目、という「5教科7科目」
・英語・国語・数学①・数学②・地歴の1科目・公民の1科目・理科の1科目、という「6教科7科目」
となります。
1990年~2003年頃までは「5教科6科目」が多かったのですが、いわゆる「ゆとり教育」を懸念した国公立大学側の多くが科目増の処置をとったわけです。
数学に①と②があることが、「科目数」をカウントするときに見落としがちな点です。
また、以前は「社会」という「1教科」だったものが、今では「地歴」「公民」として「2教科」と数えるようになった(正確に言うと、高校の課程では「社会」という教科がない!)ことも、30代以上の方はご存知ない方が多いですね。
◎満点は何点?
満点を「950点」とする国公立大学(とくに難関大学)が多いです。
「800点」という認識のかたは、ゆとり教育への批判から生まれた「センター試験5教科7科目(あるいは6教科7科目)化」以前の受験者ですね。
また、「900点」という認識のかたは、5教科7科目化はされていたものの、リスニング試験(50点)が導入される前の受験者です(2004年、05年頃)。
◎今年度(2012年度)は2011年度までと何が変わった?
理科と地歴・公民の受験の仕方が大きく変わりました。
たとえばこれまでは、「地歴」と「公民」は別々の時限(それぞれ60分間)での受験だったのですが、今年度から「地歴と公民をあわせて120分という時間内で解く。60分経過時点で1教科目の解答用紙を回収する」ことになりました。
これにより、これまではできなかった「(公民を受験せず)地歴だけ2科目受験する」という方法が可能になりました。細かいですが、理科では「物理・化学・生物」などという3科目受験ができなくなり、最大2科目の受験となりました。
次のページ◎受験番号などの基本情報をマークし忘れた受験生の措置は?
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
教育論
2012.09.01
2012.07.31
2012.03.28
2012.01.30
2012.01.16
2012.01.01
2011.12.27
2011.12.26
2011.10.24