「6×8は正解でも8×6はバッテン?」…娘さんが×(ペケ)にされてしまったかけ算の問題を取り上げ、「かけ算に順序があるのか?」とWeb上が大いに盛り上がったここ数日。 いろいろな解釈はあるのですが、自分が記事をしたためることに意味をもたせるために… ここでは「学習指導要領」「教科書」、そして弊社(Z会)が「どうしているか」について述べてみます。
では、先生が順番を強要しているのでしょうか…?
◆教科書、および教師用指導書指導編はどう書かれているか
東京書籍さんの教科書にはこのような記述があります。
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5 × 3 = 15
↑ ↑ ↑
1つ分の数 いくつ分 全部の数
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つまり、「1つ分の数が先、いくつ分が後」という「書き方」を指導(指定?)しているのは、教科書なんですね。恐らく、日本の教科書の多くは、この順番です。
ではこれが万国共通か?というと、そうではないようで…
交流のある小学校の先生から、「アメリカは確か逆のはず。だから4×100mリレーになっている。」との連絡を受けています。
だから、「○か×か」だけを議論するのであれば、日本式!?とは逆の記述があった場合、「等式が成り立っている以上○でいいんだ」という大人な見地からの!?意見だけではなく、「アメリカ風に表現したらそうなった」と説明してもOKなわけです(苦笑)。
しつこいようですが、(教育的には)「乗法の意味を理解して」話すのであれば。
また、教師は「教師用指導書」を元にして指導しているケースが多いです。
ここで、東京書籍さんの「教師用指導書指導編」にある記述を引用します。
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「5枚のお皿にりんごが2個ずつのっています。りんごは全部で何個でしょう」という問題で、誤って「5×2=10」と書く児童がいる。これは、問題の数字だけ見て答えた結果である。このようなことが起こらないように、おはじきを並べる活動を通して、場面を想像し、言葉で表現しながら、乗法の場面としてとらえたり、式の意味を確実に理解したりできるように指導したい。
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この記述だけ見ると…「6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性」に登場した先生の指導が、とりわけて変、というわけでもなさそうですよね…
先生は、この指導書をなぞっているだけですから。
しかし…
確かに、東京書籍さんのこの書き方も、「誤って」と表現するのは(個人的に)いかがかな…と思うところがありますが、「大人の教師向けの指導書」の中で「児童が乗法の意味を解釈しきれていない=誤って」と表現している、と捉えることもできなくはありません。
…と、書きながら、この解釈も無理があるかな、と思わなくもないのですが(苦笑)、ただ、教師と言う立場の人間であれば、「テストにおいて、5×2=10と書くこと」自体が「絶対的に」算数・数学の視点から誤りだ、と(この表現を)捉えてはいけないとと思いますし、絶対的に間違っている、と児童に理解されるような指摘・指導をしてもいけないんだと思います。
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