ビジネスマンの心得やエンジニアのあるべき姿といったノウハウ本は、書店を探せば手に入るかもしれない。しかし実際に自分の仕事に当てはめて考えた時、微妙に手直しが必要になる。
そしてもう一人、中日本支社の松尾成昭も技術者の行動ガイドライン作成に加わった。
「ちょうど自分が参加していた構築案件で、技術支援サービスの粒度が個人によってまちまちで、もっとメンバーが同じ方向を見ることができたら、と感じていたところでした。それなら行動規範作成に参加してしまおうと。その一方で、自分自身の技術支援サービスの進め方にも課題を感じていましたので、その作業を自らの戒めにしたいという思いもありました」
松尾も2006年アシストに中途入社。前職はソフトウェア開発会社でプログラマ、SEを経験し、その後金融系SIerでは営業職に就いていた。現在アシストでは木村と同様運用管理ツールの技術者である。
2009年2月、松尾と木村は他の5人のメンバーと共にアシストの技術者が準拠すべき行動規範を明文化するプロジェクトに着手する。そして2011年9月、アシスト技術者行動規範ガイドライン(バージョン1.0)が社内に公開された。それは、「1.技術者としての基本姿勢」から「9.顧客の満足を高めるために」まで9項目あり、各項目内にはそれぞれとるべき行動、例えば、「8.トラブル対応」の項目には、(8-1.トラブル時の情報共有と報告、8-2.業務への影響を確認する、・・・)というように細かく書かれている。
「ガイドラインは文字にすると一見ごくシンプルで、簡単なことのように思えるのですが、自ら振り返ってみるとまだまだやれてないな、と思います。でも何度もガイドラインを繰り返し読んできたこともあって、日常業務の中でふっとフレーズが頭に浮かんだり。これではあかんな、と思い直すことがほとんどですが(笑)。ただ、そこで立ち止まって考えるということを、以前よりもできるようになったのは大きな進歩かもしれません」と松尾。
「この技術者行動ガイドラインを社内の技術者が皆理解して実践すれば、お客様対応の満足度アップ、そしてサービスの品質向上につながります。作って終わりではなく、これを根付かせるために格言集を作り、展開方法を検討しました」と木村は言う。
木村自身、ガイドラインを全社に展開するために、最後まで何度も何度もガイドラインを読み、修正しては読み返し、また修正する、といった事を、本当に何度も繰り返して行ったと言い、今ガイドラインを読み返しても、細かな言い回しや、表現や、句読点の付け方にさえも愛着を感じてしまうほどだという。
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