自分たちのような中小企業は、大企業が採用しなかったような学生しか採用できないという、いかにもプライドのない前提に立っているのは、いかがなものか。
少ないエントリー者の中から選ぼうとすると、なかなか決まらないのは当然だ。だから、いつまでも選考を続けないといけないし、場合によってはまた改めてエントリー者を獲得することから始めるなど、採用活動を終えることができない。中小企業だと採用担当者が他の業務も兼務している場合も多いので、こうして採用活動が長期に渡るのは厳しいのだが、そうなってしまっている最大の原因は、早く始めないからである。早く始めると、もっと長くなると思っておられる人が多いのだが、遅く始めるから数が集まらず、決まらず、秋になっても冬になっても活動を継続せざるを得ないのだ。
事業活動と同じように、自社に誇りを持ち、大企業に伍していくという姿勢を持って、時期を早めるのはもちろん、しっかり広告やプロセスの工夫を凝らせば、今ほど採用に苦しむことはないはずだ。時期を遅らせるから、応募者不足になる。だから、内定を出せる学生になかなか会えない。会えないから採用が長引く。長引くから、次年度の採用シーズンの準備が十分にはできず、また大手に遅れてしまう。そこで「早く開始しても、どうせ大企業に採られてしまうから。」と言って遅れたことを正当化する。中小企業の新卒採用は、こういう悪循環を断ち切らねばならない。
高齢者の充実したライフスタイルを提言する、「老いの工学研究所」
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新卒採用
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。