ある日社長から、『来たるエネルギー資源の減耗と価格高騰により経済活動が停滞した時に備えて、今から消費を減らし、家庭菜園などを始めるように』というメッセージが届いたら、あなたならどんな反応をしますか。
実際に家庭菜園をして、トッテンのメッセージにあった「健康で幸福な生活」は実現できるのだろうか。
「家計を助けるまでの規模はありませんが、新鮮で安全な野菜を口にできるだけでも幸せです。家族が一緒になって何かの作業をするのは楽しいですし、五感を刺激する意味でも良いと思います。右脳を活性化しますので、頭の疲れをとるのにもいいですね。」
トッテンのメッセージを読み、改めて良い会社に勤務できたという思いが強くなったと、米倉は言う。
「西日本地区で農業クラブを始めた時、『農業部という部署を作っても良い』とすら言われました。何が人間の幸福かを考えている経営者のもとで働いていることを実感しました。特に震災後は家庭菜園をする方が増えたと聞いています。また以前、西日本地区の農業クラブメンバーにアンケートをとった時、家族とのコミュニケーションが増え、幸福度は確実にアップした、との回答が100%でした。プロジェクトはこれだけでも意義があったと思います」と米倉は語る。
財務法務部の伊藤美子は、2010年10月から農業クラブに参加した。
「2008年にメッセージを読んだ時は身近なこととして共感を持ちましたが、実際に行動に移すまでは思い描くことができませんでした。自分が参加しなくても、という気持ちがどこかにありましたし、会社帰りに洋裁を習ったり、休日の一日を家庭菜園に通うのもおっくうだと思いました」
そんな伊藤が家庭菜園を始めることにしたのは、トッテンが再び社員に宛てたメールがきっかけだった。トッテンがNECビッグローブ社を訪問し、同社が埼玉県で貸し農園を始めたことを知り、家庭菜園を始めたいが土地がないという社員はそれを利用してはどうかという内容だった。
「父が週末に家庭菜園をしていることもあり、共通の話題ができればいいなという気持ちもあって始めてみることにしました。ビッグローブ農園には管理人がいて、その一区画(15平米)を借りています」と伊藤。作業は一人で週末に通っているが、予想どおり父親との会話も増え、農作業の方法や苗の植え方を教わったりしているという。
「週末は晴耕雨読で、家庭菜園中心の過ごし方になり、映画や美術展を見に行く時間はほとんどなくなりました(笑)。衣食住について、ある程度は自分で手を足せることは大切なこと。自分で修繕したり作ることで、物を大切にする心も生まれてくると思います。ただ、どうしても時間が取られてしまうので、休日が足りないと思う時もあります」。週休2日では家庭菜園が限界かもしれない。
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