2007.10.23

ＥＴＣ不正突破とノブレス・オブリージュ

寺西隆行
（株）Ｚ会

ＥＴＣ不正通行者、06年度は96万件… 尋常じゃない数字です。今の大人たちだけで、ましてや自分だけで、社会は形成できません。子ども達が今度は、自分達と相互協力しながら社会を形成していきます。大人社会、伝えるべき事実、再点検しませんか？

２．これを「偽」とするならば、社会的身分の高いもの～政治家・官僚など～に要望するんじゃないっ。

「社会的責任・義務を果たしていないようであれば、貴い身分・それなりの地位を占める者であってはいけない」ということは一つの「命題」に過ぎませんから、「いやいやそんなことはありません。別にいいじゃない」という意見が、（100歩譲って）あったとしましょう。

上で紹介したように、命題とその対偶の真偽は一致します。
「社会的責任・義務を果たしていないようであれば、貴い身分・それなりの地位を占める者であってはいけない」を偽とするならば、「貴い身分・それなりの地位を占める者であるならば、社会的責任・義務を果たすべきである」もまた偽。
簡単に申し上げます。
「それなら政治家や官僚に要求するなよな」。

全体でETC突破96万件もあるような「大人社会」が、どうして「それなりの地位」の人に「あれやれ、これやれ」なんて要求できましょうか。。。

３．悪事を働く人は、そのことそのものがまた悪事に拍車をかける。

ここまでのノブレス・オブリージュについての話に共感してくださった方はお分かりになると思います。
悪事をしている限り、「悪事をしてしまうような（経済的に）苦しい環境」は抜けられない、と。

幸せになりたいのなら。
いや、幸せのようなキレイな言葉でなくてもいいです。
今より楽して儲けたいのなら、それで十分です。

悪事を働かない自分自身になることが何よりも必要なんです。

そんなアタリマエのこと、言葉にせずとも、「わかりきったこと」になるモラルの再構築、今の大人社会に求められています。
そして、大人社会を形成している当事者である自分としても、目の届く範囲でしっかり、作っていかなければ、とも思っています。

もう一度。