博多どんたく港まつりは、動員数で国内最大級のお祭である。ゴールデンウィークのニュースでは、必ず動員数200万人超の記録が流されるのが恒例になっている。
676団体3万人が1人当たり15人の身内や関係者に声をかけて動員していたとしたら、それだけで45万人である。200万人を集めるイベントのクリティカルマスがどれほどのものかは知らないが、身内45万人という動員は、凄い数字の基盤になっているに違いない。人が人を呼ぶ典型である。
来る者拒まずで団体を受け入れ。
その参加は、宣伝目的でも何でもかまわない。
披露する踊りや演目も、ほぼノーチェック。
泣いても滑ってもオッケー。
見る側も、食べながらも、しゃべりながらも、寝ながらも、、、
どんな体勢でも歓迎。
この博多らしい「オープン」なマインドこそ、200万人動員の「イノベーション」の鍵だろう。この文化祭的参加衝動と身内の連鎖による拡がりは、ある意味インターネット的である。
女人禁制で地域も閉鎖的な「博多祇園山笠」を抱えながら、一方で、こんな何でもありの「博多どんたく港まつり」を実行できる福岡のバランスとれた都市力は、魅力的である。
日本一ゆるくて、日本一の動員を可能にするお祭りが実行できるのは、二千年の歴史を持つ博多商人のオープンイノベーションの精神が脈々と街に息づいているからである。
今年、博多どんたくは、第50回目を迎える。東日本大震災の被災者らを支援しようと「がんばろう!!日本」をスローガンに掲げている。自粛ムードを一挙に緩めるゴールデンウィークに、「どんたく=休日」はふさわしい。一度、福岡市民総出の文化祭を体験されることをお薦めする。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。