今回の東日本大震災は、原子力の次を担うエネルギーは何か?という命題を、我々に突きつけています。 いろいろな代替エネルギーについて考えてみました。
日本の周囲に豊富に存在する海洋エネルギーも重要な次の発電手段です。そのひとつが「洋上風力発電」です。 地上の風力発電に比べて立地確保や景観の問題、プロペラによる羽切音の騒音問題などがないというメリットがありますが、陸上に比べて設備コストがかかってしまうという難点はあります。
世界四位の海水量を誇る海洋大国の日本が注目しているのは、「波力発電」です。 波の力を発電に変えてしまおうというのがこれです。波による海面の上下運動で空気を圧縮し、その力でタービンを回転させて発電します。
今回多大な被害をもたらした大津波も、逆転の発想で発電の対象の源泉として活用できるのかもしれません。日本の海岸線に押し寄せる全ての波の力を波力発電に使用すると、一時間で約3500万キロワットの発電が可能となるという試算もあり、これは、この夏に予測されている首都圏の電力不足1500万キロワットの約2倍以上を楽に賄える計算です。
あと、「海底温度差発電」というのもあります。表層の温かい海水(25~30度)と、深層の冷えた海水(4~5度)の温度差を利用して発電するのですが、風力や太陽光などの自然エネルギーと違って、天候に左右されずに安定した供給が期待できます。
いずれの方法も、送電方法や経済合理性など解決すべき課題・問題点が山積しておりますが、日本を始め世界各国の研究機関が実用化に向けて確実に歩みだしております。
逆に世の中の流れと逆行するかのようですが、「石炭火力発電」も見直されています。 最新鋭の火力発電所では、石炭を燃やした際のNox(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)などを削減する技術が大幅に進み、クリーンエネルギーになってきたということです。
Jパワーの横浜発電所では、大震災の後フル稼働の様ですが、ここも発電効率が、20%台以下が一般的な太陽光や風力よりも40%以上も高く、昔の石炭火力のイメージではないようです。
あとは、プロパンガス(LPガス)から電気を作り燃料電池ユニットに蓄電し、かつ太陽光発電と組み合わせたダブル発電という家庭用向けの自家発電システムも実用化されてきました。
これからの世の中は、益々節電が求められるでしょうし、さらに究極的には、各家庭はエネルギーの自給自足へと回帰していくようにも思えます。
読者の皆様も、これを機会に発電という課題を身近なものとして捉え直して、最適なエネルギーとは何かを考え直してみては如何でしょうか?
参考文献:「日本は世界第4位の海洋大国(山田吉彦著)講談社」
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