大阪府高槻市で、イメージ向上にと各課がバラバラに作った「ゆるキャラ」が、31体にも上っていることが分かった。 ここまで分かりやすい事例はなかなかないが、企業でもこと広告宣伝、販売促進等の営業費用の使われ方については同じような問題を抱えている。 今回は、こうした広告宣伝、販売促進等の営業費用の効果的な使い方、管理の仕方について見ていこう。
「大阪府高槻市が、各課がイメージ向上にと作っていた“ゆるキャラ”を調べたところ、31体に上っていたことが分かった。名前が同じだったり、デザインが似たキャラが複数作られたりしており、出番が一回限りの事実上の“使い捨てキャラ”も。数が多いばかりで大半は知名度がほとんどないまま終わっている。(参考:産経新聞 1月20日)」
ゆるキャラは、地方の村おこし・地域振興などのために作られたキャラクターで、滋賀県彦根市のひこにゃんが、全国規模で人気が出たこともあり、2008年頃から国や地方公共団体、企業でプロモーションにキャラクターを用いる動きが広がった。
高槻市の31体のキャラクター起用も近年作られたものが19体と多く、このゆるキャラブームに乗ろうとしたものとみられる。通常プロモーション用のキャラクターは専門のデザイナーやイラストレーターなどに委託して作製されるが、高槻市の31体のキャラクターは、大半は職員が自前でデザインしたとのことなので、デザイン料はあまり掛かっていないようだ。反面、デザインのクオリティは低いものが多く、コンセプト、モチーフ、ネーミングについても市名にちなんだ「たかちゃん」、医療や介護分野の「元さん」「ますます元太郎さん」、5~6世紀に同市内に国内最大級のはにわ生産工場があったことにちなんだ「ハニー」「はにたん」と統一が取れておらず、インパクトにも欠けている。これでは、キャラクターを起用する効果、意味がない。
ここまで分かりやすい事例はなかなかないが、企業でもこと広告宣伝、販売促進等の営業費用の使われ方については同じような問題を抱えている。企業、事業、製品のマーケティング、宣伝、営業活動が、事業部、部門、担当者毎にバラバラに行われ、コンセプト、メッセージ、イメージの統一が取れている例は非常に少ない。最近では、パナソニックが、100年近くの歴史を持つ社名と「ナショナル」ブランドとに共に別れを告げ、大胆にも企業ブランドと商品ブランドを「パナソニック」に統一した位だろうか。
インターネットを始めとする新しいメディア、コミュニケーション手段の登場により、お客様との接点、コミュニケーションのあり方が非常に多様化している。マーケティングの世界では、こうした変化に対応して、統合マーケティングコミュニケーション(Integrated Marketing Communication、IMC)という新しい考え方が提唱されている。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
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