ピーク時には30兆円だったパチンコ市場は、衰退の一途を辿っている。貸金業法の改正により個人の借入総額は低く抑えられ、さらに中小ホールは淘汰されている。その衰退の陰で売上げを伸ばしているのは、パチンコ店と一心同体の遊技メーカーである。
社団法人日本遊技関連事業協会のサイトから抜粋すると、平成21年度の全国のパチンコ店数は、11,722店。そこに設置されているパチンコ台数は、3,158,799台。売上げは、210,650億円=約21兆円。参加人数は、1,720万人。1人のユーザーがパチンコ店に通う回数は、年20.4回という計算になる。
これを10年前の平成11年と比較すると、売上げで3割近くダウン。利用ユーザーは、140万人ダウン。パチンコ台数も、40万台近く減っている。衰退の一途である。
資料=社団法人日本遊技関連事業協会より
・・・が、一方・・・パチンコの主要遊技メーカーの業績は、すこぶる良い。2010年度の決算を見てみると最大手のセガミホールディングスの売上げは、3846億7800万円で、前年比10.4%増。同じく、SANKYOの売上げは、2226億7300万円で、前年比18.5%増。平和の売上げは、633億2800万円で、前年比27.4%増・・・上位メーカーのほとんどが軒並み増収増益なわけである。
資料=佐渡屋太郎のパチンコ商売道日記より
設置されているパチンコ台数は、減っているのに・・・遊技メーカーは、潤っている。要するに、1台の単価が上がり+入れ替えのサイクルが早くなっているわけである。その現象を加速させている最たるものが、「版権もの」といわれている機種の増大である。ニュースによると、新機種の約8割がこの「版権もの」で占められているらしい。
テレビCM等で良く見かけるのでご存じのも多いかと思うが、ざっとめぼしい台を並べて見ると・・・
タレント→
ピンクレディー、中森明菜、美空ひばり、五木ひろし、ほしのあき、倖田來未、吉幾三、氷川きよし、小林幸子、熊田曜子、ダチョウ倶楽部、島倉千代子、八代亜紀、松浦亜弥・・・。
ドラマや映画→
冬のソナタ、春のワルツ、チャングムの誓い、必殺仕事人、水戸黄門、暴れん坊将軍、座頭市、裸の大将、釣りバカ日誌、スパイダーマン、ジョーズ、ジュラシックパーク・・・。
アニメ→
宇宙戦艦ヤマト、あしたのジョー、銀河鉄道999、キャプテンハーロック、怪物くん、忍者ハットリ君、プロゴルファー猿、キューティハニー、デビルマン、マジンガーZ、北斗の拳、キン肉マン、ゲッターロボ、ルパン3世、ヤッターマン、ゴルゴ13、サンダーバード、ゲゲゲの鬼太郎、ピンクパンサー、オグリキャップ、じゃりん子チエ、エヴァンゲリオン、巨人の星、タイガーマスク、ハクション大魔王、キン肉マン・・・。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。