九州新幹線の全線開業が来年の3月12日になると発表され、いよいよカウントダウンが始まった。ほんの数日前の15日、鹿児島中央駅には、カウントダウンボードが設置され、マスコットキャラクター「西郷どーん」がお披露目されたのだが・・・。
発表されてたったの3日・・・こんな短い間に、こんな2つのニュースが駆け巡った。西郷どーんは、PR的にも、どーんと話題をふりまいている。面白いっ。
ひとつめは・・・
西郷どーんに、熊本県民がダメだし。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/197998
9月16日に予定されていたJR熊本駅へのカウントボード設置が見送られたというもの。理由は、熊本県と熊本市が西郷隆盛の絵が「熊本にはなじまない」と抗議がたくさん寄せられたからだという。
西南戦争で、西郷さんは、熊本城攻めてるし・・・。幕末ブームにのって調子にのって、西郷どーんって行ったが、熊本の皆さんには、どーんと跳ね返されたというわけだ。
鹿児島=西郷さんと言うイメージなので、鹿児島→博多間の途中の通過駅となってしまう不安があり、デリケートになっている熊本の皆さんには、冗談に見えなかったのだろう。
そして、ふたつめは・・・
あっ!西郷どーんの着物が左前。
http://mainichi.jp/select/today/news/20100918k0000e040053000c.html
ニュースによると、通常、着物は相手から見て右を前にして着る。ところが西郷どーんは逆で、設置直後から「死に装束の左前はおかしい」との指摘があり、18日の朝までに修正した。とある。
死に装束は、いくら何でもまずいだろう・・・完全な初歩的ミスである。制作した人達のあわてふためきぶりが目に見える。
しかし、この御難続きの「西郷どーん」キャンペーン・・・
PR的には、成功してないか?
予測不可能な、口コミ効果を上げているとは言えないか?
こんな口コミが狙ってできるなら、どんな企業も苦労しない。
そんな狙いを的中させるマーケティングプランナーが居るなら合わせて欲しいものである。
マイナス要素を含みながらも、間違いなく予測不可能な話題を九州全体にふりまいている「西郷どーん」のカウントダウンキャンペーン・・・そこには、ひとつ貫かれているものがある。
この「西郷どーん」キャンペーンは、iPhoneアプリ(無料)も開発。九州新幹線の全線開業日(3/12)に向けて、超巨大AR(拡張現実)の「西郷どーん」が、鹿児島中央駅から博多駅へ向けて北上するというもの凝った内容になっている。
セカイカメラみたいなもので・・・九州各地を巡ると想定されている西郷どーんが居る場所で、iPhoneをかざすと、身長50メートルの巨大な西郷さんが見えるという。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。