経団連による、採用活動開始時期を遅らせるという方針は、学生の就職状況を更に悪化させる可能性がある。
真の問題とは「学生が持つ、職業に関する情報が少ないこと」だと考えます。そして解決策は、「今よりも、もっと就職活動時期を長期化し、職業に関する情報を沢山与えること」ではないでしょうか。
例えば、大学1年からでもエントリーを受け付け、会社説明会にも参加できるようにする。経団連の会員企業が率先して、大学などのキャリアセンターに出向いて職業に関する講座などを提供する。選考のための“なんちゃってインターン”ではなく、1年生からそれも少なくとも1ヶ月以上の職場見学や職業体験の機会を、無償で学生に提供する仕組みを全体で作る。
他にも色々なアイデアがあるでしょうが、これらにより学生が各々の状況に合わせて、また大学生活との両立を図りながら、就職に備えた勉強や活動に取り組めるようになるのではないかと思います。いずれも企業側の負担が増すのでしょうが、未来の顧客としての学生の満足、あるいはCSRの観点から見れば、積極的に取り組むべき課題と言えます。就職協定や倫理憲章は、これまで長い間、ずっと「時期の設定」という枝葉に終始してきており、結果として、毎度毎度なし崩し的に守られなくなり・・・、といたちごっこを繰り返していますが、就職活動の主役である学生たちのためにも、そろそろ根本的な対応策を打ち出すべきであります。
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。