ビジネスでも戦いでも、「どこで攻めるか」「どこで引くか」が戦略の要諦。正に経営判断、戦略判断を問われるところです。
人道的視点は置いておいて、「戦略思考」からすれば、この北オセチア事件におけるプーチン大統領の決断は理にかなっていたことになります。彼の目的は人質救出ではなく、テロの抑止だからです。
目的とプロセスを混同してしまうところで「混乱」が生じます。フロリダ事件は、テロ抑止ではなく、人質の無事解放が戦略目的なはず。それが実行できないなら、ひたすら時機を待つ以外に人質に選択出来る手段はないでしょう。
ゴルゴ13の背後に不用意に立てば、首の骨を折られるほどの反撃を受けます。日本の刑事ドラマや映画のように、イケメン刑事が犯人を罵倒したり、無意味に殴りかかるなんてことがどれほどばかげているか、戦略の視点からすれば一目瞭然です。
中途半端な決断・手段は戦略的には許されません。
諸葛孔明は南蛮侵攻作戦において、いくら圧倒しても屈服しない南蛮人の攻撃に、部下からもう十分勝利を得たので引き上げを進言されました。それに対し「事を成しかけ、それを終始全うしないほど大きな罪はない」と説きます。つまり孔明の戦略目標は、南蛮人との百戦の戦闘に勝つことではなく、南蛮人とその国土・蛮土を心から屈服させることだったからです。
菅首相の迷走ぶりからも、「事をなそうとしてブレること」が、どれほど頼りないか、官房長官がいかに盛り立てようがリーダーシップなきリーダーに、りーだーを務めるという戦略目標は達成できないと感じてしまいます。
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戦略思考シリーズ
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株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。