バイヤーの核となる交渉業務。しかし計画の立てられない「葬儀」では殆ど交渉ができません。「葬儀」を通じて、「購買計画の重要性」を改めて痛感しました。
先日、身内に不幸があり生まれて初めて葬儀を主催する立場になりました。
今までも親戚や近親者の葬儀はあったのですが、葬儀会社との調整や交渉などは正に初めての経験でした。
色々と雑誌やTVなどで葬儀の事情などについてはある程度の知識はあったつもりでしたが、まあびっくりしました。
何がびっくりしたかというと「高価格」というか「高いかどうかも分からない」のです。
「祭壇」70万円、「棺桶」20万円、「搬送費用」6万円、「安置費用」1万円/泊などなど、積上ると200万円を超えます。
東京近郊の葬儀の平均費用が240万円位だそうですので、多分相場レベルで、悪い業者でもないです。
ただ、バイヤー的視点で見ると本当に不透明です。
「祭壇」70万円って、殆ど加工賃だろうな、職人が2人で1日1台として、まあ高く見積もっても50万円位の原価だろう、それに良く見るとかなり傷ついていて、多分4-5回は再利用するのかな、そうすると原価率は15%位、、、
「安置費用」1日1万円って、専有面積(体積)から考えると10万円位の高級ホテルなみ、おまけにドライアイス代も請求されている、、
ただし、葬儀というものは普通は急にやらなければならないものなので、親族は如何に滞りなくすませることしか考えていません。
ですから感覚的には高いなと思っていても多少交渉する位しかできないものです。
(前提として繰返し申し上げたいのは、今回の葬儀や葬儀会社にはとても満足しており、正に手取り足とりやっていただきましたし、相場からかけ離れた費用がかかった訳でもなく、システム全体の話をしているということです)
多くの方は病院でお亡くなりになられます。そうすると病院に出入りしている
搬送業者(あくまでも自宅や斎場までの遺体の搬送だそうです)を紹介してもらいます。ただ紹介業者に連絡するかどうかはあくまでも遺族に任されています。
また、搬送業者と申し上げたのは、葬儀をその会社に依頼する必要はないからです。一般的に出入り業者は病院に入り込むためにかなりのコストをかけているようです。
色々な雑誌を読むと、とりあえず搬送だけ頼み、その後で相見積りを取りなさい、ということが書かれています。でも正直無理ですね。
そんな余裕はありませんし、そもそも初めて経験する方が殆どなわけですから。
なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか?
一言で言うと「計画的な購買」ができていないからなのです。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。