自分に投資して得られた知識や経験、技術、資格、人脈などは、一生もの。仕事ができるようになるために、どう学び、どう自分を磨いていくか、何に投資するか、様々です。今回は、人脈と恩師ということで、理想とする対象を意識して、時には真似し、時には自分なりのやり方を編み出しながら追い続けることで自分のものにしていく方法についてお話します。
仕事柄、毎日たくさんのビジネスマンにお会いします。
お会いしてしばらく一緒の時間を過ごすと、その立ち居振る舞いから仕事の基本ができているかどうかは、だいたいわかるものです。
「この人は仕事の基本ができているなあ」と思う時と、言い方がきついですが、「この人は何年仕事をしているんだろう」と思うくらい基本が感じられない人もいます。
恐らく、その差というものは、新入社員から数年間の間に厳しい師匠につくことができたかどうかということだろうと思います。
厳しいというのは、ただガミガミ怒るということとは違います。
仕事をよく見ていてくれて、基本を叩き込んでくれるかどうか、ということです。
上司がそういう人でなかった不幸な人は、他に師匠を求めなくてはなりません。
隣の部署の先輩であれ、社外の人であれ、自分に厳しいことを言ってくれる人は絶対に必要なのです。
そういう師匠を持たない人や、いたとして、そこから逃げる人が成長する確率は圧倒的に低いと言わざるをえません。
②「生きるモデル」となる師匠を持つ幸せ
人間として目標となる人がいる人は幸せです。
「キャッチアップ戦略」という言葉があります。
「キャッチアップ戦略」とは、発展途上の立場で理想とする対象をことごとく意識して、時には真似し、時には自分なりのやり方を編み出しながら、追い続けることで成長していくことを言います。
国や企業で一般的に使う言葉ですが、個人であっても同じことだと思います。
「この人は・・」と生きるモデルにできるような、すごいと思える人に出会えたとすれば人生の最高レベルの幸運と言えると思います。
人間には誰でもデコボコがありますから、それが一人でなくてもいいのです。
この人の生き方のこの部分は見習おう。別のこの人のこの部分は見習おうと、見習うところを探しながらつきあうのが、人との上手なつきあい方だと思います。
③分野ごとに信頼できる師匠を持つ幸せ
早いうちから自分が追い求めるテーマを決めて、それぞれのテーマごとに師匠を決めて取り組むことがそれぞれのレベルを上げることにつながります。
これはビジネススキルの上でも同じことが言えると思います。
プレゼンテーションスキルについては、誰々・・、企画書作成については、誰々・・、
時間の使い方については、誰々・・。
分野別に、いつでも教わることのできる人を師匠に持つことが最強のビジネスマンへの道です。
本を読むことも、セミナーに行くことも学びの方法としていいと思いますが、最高レベルは人から学ぶことです。
■□■ 年上の人とつきあう ■□■
成長度の高い人の共通項の一つに「意識して世代を超えた交際をしている」ということがあります。
特に、自分よりも年上の人とつき合うことを心がけている傾向があるように思います。
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「スター社員の仕事術」
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。