2007.10.05
福田総理のパーソナルブランド
増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
第91代内閣総理大臣に就任した福田康夫氏には、「世界一キャラが立たない」などという、ありがたくない「評判」があるようだ。自民党総裁選挙の対抗馬として善戦した麻生太郎氏が、「キャラが立ちすぎる」と言われていることの反動という一面もあるのだろう。
福田総理の発言は、
自民党総裁選立候補時:
「希望と安心のくにづくり、若い人に希望を、お年寄りに安心を」。
対抗馬として立候補した麻生太郎氏は「日本の底力 活力と安心への挑戦」。
福田氏が首相に指名された9月25日夜、記者会見をした冒頭発言:
「政治不信の解消に全力」
10月1日の国会における所信表明演説:(骨子抜粋)
信頼できる社会保障制度の整備
国民の安全・安心を重視する政治への転換
子育てを支える社会の実現
改革の継続と安定した成長
いわゆる格差問題への対応
これからの環境を考えた社会への転換
平和を生み出す外交
むすび ― 自立と共生の社会に向けて
所信表明演説は、総花にならざるを得ないが、「堅実ながらもメッセージ性には欠ける」という評価が大勢を占めているようである。
ブランドプロミスは、スローガンやイメージだけではなく、実行して実質的(機能的)な価値を提供することが必要だ。
例えば、ハンカチ王子とハニカミ王子は、最初から学生野球界、学生ゴルフ界のトップ・オブ・マインドとして注目されていたわけではない。
彼らは世間がアッと驚くようなことをやってのけたのである。
イケメンである前に、卓越した才能の持ち主であることを世間に認知させたのであり、その偉業にサプライズがあったからこそ、メディアは超新星として飛びついたのだ。
東国原宮崎県知事はどうか。
選挙運動までは「そのまんま東」として活動し、県知事に就任してからは「東国原英夫」(本名)として活動している。
あえて政治家としてのパーソナルブランドを構築することを試みているのではないだろうか。
初期段階として、政治や宮崎県への思い、ひたむきな行動を前面に出しながら、「そのまんま東」のキャラもうまく使っている。
政治家、県知事としての能力と実績は徐々に世間に認知されており、今後の難局をどう乗り切るかが勝負の分かれ目だろう。
官房長官時代には、「弁明長官」を自称し、「影の外務大臣」ともいわれていたが、福田氏は首相としてどのようなブランドプロミスを掲げ、パーソナルブランドを築くのか、大変興味深い。
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増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。