2007.10.05
福田総理のパーソナルブランド
増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
第91代内閣総理大臣に就任した福田康夫氏には、「世界一キャラが立たない」などという、ありがたくない「評判」があるようだ。自民党総裁選挙の対抗馬として善戦した麻生太郎氏が、「キャラが立ちすぎる」と言われていることの反動という一面もあるのだろう。
自民党総裁選挙への正式立候補の後に福田康夫氏と麻生太郎氏が9月16日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」に揃って出演したが、出番を待つ福田氏と麻生氏のやり取りが後日放映された。
雑談ベースで、福田氏が「ところでキャラって何なの?」と真面目に聞くと
麻生氏がニコヤカに「漫画の世界ではキャラが大切で・・・」という場面があった。
これもお二方の「キャラ」の違いを表す一コマだったと思う。
後日、内閣府特命担当大臣(金融)の渡辺喜美氏がテレビで「実は福田総理は“ボケキャラ”で閣議では笑いが絶えないんです」というエピソードを暴露していた。
直接接しない限り、実際のキャラを感じ取ることはできないし、一国の首相という立場から、ステークホルダー(利害関係者)は無数に存在する。
その数だけ、福田総理のキャラに対するイメージがあることだけは確かだ。
ここでいわれている“キャラ”を「パーソナリティ」という観点から分析してみる。
あくまで私見であるが、ブランドイメージとして認知される福田総理のパーソナリティは、
信頼できる、安全、まじめさ、堅実さ、冷静さ、飾りのなさ、無駄のなさ、思慮深さ、バランスのある、正統、昔ながらの、地味な・・・
あなたはどのようなイメージを持つだろうか?
タレント、スポーツ選手に限らず、政治家や経営者も、“その人らしさ”を認知してもらうには、外見的なイメージ戦略も大切だ。
見た目は、その人のプレゼンス(存在感)に予想以上にインパクトを与える。
ファッション、髪型、メイク、立ち居振舞い、マナー、話し方、など、
パーソナルブランドの表層的イメージ(見た目)ではあるが、この面では、福田総理の評判はあまり芳しくない。
次に、福田総理のブランドプロミスを見てみる
ブランドプロミスとは、「実現可能で、相手に約束できることの宣言」である。
メジャーリーグのオールスターでMVPとなったイチローの試合後の記者会見でこんなやりとりがあった。
アメリカのメディア:
(ランニングホームランを記録したが・・・)
「ホームランを狙ったら、1シーズンでどれ位打てるか?」という質問をした。
イチロー:
「2割2分の打率でいいなら、40本ということにしておきましょう」と笑いを誘い、
「でも、そんなこと期待していないでしょ?」
イチローのパーソナルブランド・プロミスを明確に表現した場面であった。
政治家であれば、キャッチフレーズ、マニフェストであり、首相であれば所信表明であろう。
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増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。