タイトルだけだと誤解されるかもしれませんが、事業仕分けへの批判ではありません。 事業仕分けは、企業で用いられている支出管理、コスト削減、経費削減の手法の典型的なものの幾つかと重なりますが、あまりにも基本的な故に応用が利きます。 事業仕分けをケースにムダな支出や支出管理の手法を整理する。二回目の今回は、「(2)最善の事業主体を選ぶ」です。
あらゆる活動・事業において、それは内作・外作、社内・外部への業務委託の何れで行なうべきか、内部で行なうのなら、中央で行なうべきか現場で行なうべきかの検討があらゆる活動・事業を成功させる上で不可欠です。
■ 競争的に事業主体を選定する
外部についても、専門業者に任せればいいという話ではなく、あまたある専門業者の中で、最善の業者に任せなければいけません。そのための方策の一つとして、雪センターの仕分けでもそうでしたが、外部への委託については、競争的に委託先を決定すべきと判定されたものが非常に多くあります。
内部で行なう、外部で行なうに関らず、その仕事が既得権益になってしまうと創意工夫が生まれず、業務の改善・革新が進みません。
外部委託は競争で決定というのは当たり前と言えば当たり前のことなのですが、なぜ、事業仕分けでこれだけボロボロと委託先を競争的に選定との指摘がなされるのでしょうか?
それは、取引先を競争的に選定するというのは非常に手間が掛かるからです。取引先を競争させるというのは、単純にただ相見積を取ればよいという話ではありません。
たとえば、そもそも取引先を競争させるのは、最善の事業主体を選ぶのが目的ですので、競争の中に最善の事業主体が含まれている必要があります。取引先を公募して座って待っていても、優良な取引先が参加するとは限らないので、こちらから最善と思われる取引先に働きかけていく必要があります。市場には「逆選択」という言葉ある通り、望ましくない相手ほど、向こうから積極的に働きかけてくる傾向があります。
取引先を競争させるには、相対の交渉、入札、リバースオークション、カテゴリーソーシングなどどういう形で競争させるのがベストなのかということを見極める必要があります。
一番大切なのは、競争の結果、実際に取引先を切り替えるということを実績として業者に示していくことです。サプライヤの洞察力は厳しく、あなたが幾ら相見積を取ろうと、本当に切り替える覚悟がない時には、それが見透かされ、「本当に他の取引先と取引できるのなら、さあ、どうぞ」と余裕で構えているものです。サプライヤに舐められないようにするためには、多少の切り替えによって生じるトラブルは覚悟した上で、冷徹な判断の下、サプライヤを切り替えるべき時は、果敢に切り替えるという実績を積み重ね、それを取引先に示していく必要があります。
残念ながら、競争的に事業主体を選定するというのは、これだけの手間と覚悟が必要なので、上がどれだけ口を酸っぱく言っても、担当者レベルでは聞き流しているというのが実情です。担当者にしてみれば、そこまでするモチベーション、インセンティブがないのです。担当者にしてみれば、
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
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