作業項目のあるべき粒度 ~WBSでどこまで作業分解すべきか?~

2010.05.15

IT・WEB

作業項目のあるべき粒度 ~WBSでどこまで作業分解すべきか?~

赤秀 有為
エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント

作業項目は、粗すぎると 管理精度が低下します。逆に、細かすぎると 管理負荷が高くなります。では、作業項目の適切な粒度とは?

私の考えとしては、”粒度は 定例報告の周期にあわせる” が好ましいと考えます。
一般的に、定例報告のサイクルは 週に1回 もしくは 2週に1回くらいであろうか。定例報告を受けるクライアント側としては、進捗を把握し易いというメリットを得られます。各作業項目は 作業着手の報告を受けて 次回に作業完了の報告を受けるといったサイクル。これが満たされない場合は、進捗遅れで何か問題有りという事。わかり易い!
また、作業担当側にも、作業期限の遵守率が高まるというメリットを得られます。理由は、2つ。1つ目は、作業期限を定例報告と連動させる事によって、”クライアントからの暗黙的プレッシャー”が与えられる事。2つ目は、ちょうど良い作業ボリューム感。サボって完了できなかった場合は言い訳を作るのが難しい。がんばれば達成可能。このように 程好いプレッシャーと程好い作業ボリューム感で、小さい作業を達成し続けるといった良い効用がもたらされると考えます。

■あくまでも目安として、
プロジェクトによっては、上記粒度の考え方に マッチしないものもあると思います。
例えば、企画検討プロジェクト。どっちの方向に検討が進んでいくのかわからない、すなわち 実行すべき作業項目がイメージできないのに 無理やり作業を詳細化してしまう。これは 大きなリスクです。後々、不要になった作業を形式的にやらざるを得ないはめになったり、クライアントへの(作業を取りやめる為の)説明/調整作業が大変になったりといった事にもなりえます。
上記粒度の考え方はあくまでも目安です。目安を持った上で、プロジェクト特性や状況にあわせて、臨機応変に作業項目を作る事が重要になります。杓子定規はダメです!

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赤秀 有為

エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント

慶應義塾大学 環境情報学部卒。IBM/サン・マイクロシステムズ/PwCコンサルティング社にて、いずれもコンサルタント職として計10年在籍。 その後、エフィジェント社を創業し、代表コンサルタントとして、システムコンサルティング、システム開発活動に従事。専門システムは、デジタルサイネージ/EC/業務システム。

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