国内最大規模の求職者データベースを持つエン・ジャパン。転職サービスをメイン事業としながらも、求職者には安易な転職を勧めず、求人企業に対しても慎重な採用を求める。ともすると自社の利益と矛盾しかねないポリシーの背景に秘められた同社の哲学を探る。
「やがて越智の読み通り、99年ぐらいから日本のネットインフラが急速に進化し始めました」
当初は電話回線でせいぜい33.6kbpsぐらいしかなかった接続手段が、次第にISDNに切り替わっていく。そしてADSLから光回線へと日本のネット環境は2000年頃を境目として、一気にブロードバンド化の道を突き進んでいった。
「これが第一の追い風です。回線が速くなり、ユーザーの使い勝手が劇的に改善されました。何のストレスもなく、どんどん次のページへと見ていける。続いて起こったポータルサイト間の競争も、当社にとって強力な追い風となりました」
Yahoo!を筆頭にLYCOSやgooなどが相次いで立ち上がったのも、ちょうどこの頃である。各ポータルの至上命題は、アクセスユーザーの獲得だ。ユーザーを導くコンテンツ集めに各社がしのぎを削った。
「求人コーナーを作ろうと思えば、先行していた我々のサイトが一番の候補となるわけです。おかげで各ポータルサイトからアライアンスのお誘いがかかり、当社サイトへ送り込まれてくるユーザーも飛躍的に増えました」
決定的な一押しとなったのがネットバブルだ。2000年はまさにITバブルの年であり、ネットベンチャーのIPOブームが日本中を熱狂の渦に巻き込んだ。
「上場したネット企業が軒並み、創業期のクライアントとなってくれました。彼らには株主の手前、急成長が求められている。ところが人材が圧倒的に不足しています。ネットリテラシーが高い彼らは、求人にネットを活用する当社のメリットを直感的に理解してくれたのです」
インフラの整備、ネットベンチャー勃興などの順風を満帆に受けて2000年、日本ブレーンセンター・デジタルメディア事業部はエン・ジャパンへと社名を変更、ネット専業の転職サービス事業者としてスタートを切った。
⇒次回「社名を変え、体制を変え、いざ勝負へ」へ続く(全四回)
『エン・ジャパン株式会社 関連リンク』
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◇インタビュー:竹林篤実/坂口健治 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:大鶴剛志 ◇撮影協力:ピクスタ㈱
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FMO第32弾【エン・ジャパン株式会社】
2010.04.08
2010.04.01
2010.03.25
2010.03.18