環境問題への配慮から、コンビニエンスストアの深夜営業の規制を検討していた京都市が規制導入を断念しました。コンビニ業界の猛反発もありましたが、市民の理解が広がらなかったのが、大きかったようです。 今回の一件から、エコ活動をどう進めていくべきかの方向性を、一緒に考察していきましょう。
環境問題への配慮から、コンビニエンスストアの深夜営業の規制を検討していた京都市の門川大作市長が、任期中の規制導入を断念しました。コンビニ業界の猛反発もありましたが、市民の理解が広がらなかったのが、大きかったようです。
コンビニの深夜営業規制は、午後11時から翌日午前7時ごろまでの営業をコンビニに自粛させるもので、京都市が2008年に全国で始めて規制に乗り出す考えを表明しました。省電力、二酸化炭素(CO2)の排出削減が狙いですが、市民から「利便性が損なわれる」「経済発展の阻害要因になる」との批判が続出し、今回の判断となったようです。(出所:日本経済新聞 2010年2月16日 42面)
今回の一件は、エコ活動をどう進めていくべきかの方向性を示唆する良い例だと考えられます。
エコは善い事だけど、なかなか進まないから、規制しようというのは、非常に短絡的です。人間は、善良な部分もありますが、生来、エゴや欲望の方が勝っています。また、経済成長がないと、人々は、不満や将来の生活に不安を感じ、社会の安定性が崩れます。成長には、こうした利点もあり、あながち否定すべきものではありません。たいていの規制は、現状維持や既得権益の擁護となり、競争を阻害するため、社会の活力をそぎ、成長の阻害要因となります。
今、日本に足りないのは、規制ではなく、成長です。ですので、規制は、最後の手段であるべきです。一方で、善意にだけ頼っていては、エコ活動が広がらないというのは、現状を見れば明らかです。問題は、人間のエゴや欲望を満たし、成長を阻害する事なく、地球環境への負荷を低減していくという無理、矛盾していると一見見られる課題を、同時にどうやって解決していくかです。
本当にこの問題は解決できないのでしょうか?
我われ人間は、これまで、鉄の塊を海に浮かべたり、空に飛ばしたり、何もない所から電気を起こしたり、人間を宇宙に送ったりしてきました。どれも、一見、無理だと思われる事ばかりです。
こうした無理、矛盾していると思われる課題を解決してきたのは、何れも規制ではなく、イノベーションです。規制がイノベーションを生む事もありますが、それは、規制が無理難題を押し付ける事により、人々の反発心を生み、たまたまイノベーションにつながったにすぎません。イノベーションを起こすのは、規制ではなく、無理、矛盾していると思われる問題を解決してやろうという人間の意志なのです。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます