『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、PE&HR株式会社(http://www.pehr.jp)が開催した会の特別レポートです。インキュベーション事業を行う同社の勉強会では、特別講師として、同社投資先のなかでも、特に成長している注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、同社に抜粋してレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。
(3) 資金繰りに早すぎるということはない。
資金繰りの重要性がエピソードを交えながら紹介された。
「5,000万円の資金調達をしたときに、広い場所に移ろうと恵比寿の駅前のオフィスに移転しました。軌道に乗るタイミングが想定よりも遅く、予想以上にキャッシュアウトしてしまいました。固定費を下げるのは非常に難しく、オフィスは簡単に移れませんので、可能な限り月間コストは下げておく必要があります。また、増資や借入は余裕のあるときにやるべきです。切羽詰まってからでは資金の出し手も不安で決まりにくくなりますし、条件も悪くなります。特に、資金繰りは早め早めに手を打つことが重要かと思います。」
「以前は、資金繰りの見通しが甘く、3回ぐらい資金が尽きかけたことがあります。ぎりぎりの時期もあったのですが、ECをやっている元の状態に戻りたくはないという強い思いがありましたので、あきらめずあらゆる対策を取り続けて『PIXTA』の可能性にかけ、伸ばしてきました。結果としてサイトを始めてから約3年半で国内のパイオニア的な存在になることができ、海外からも提携のオファーが来るようになりました。」
(4) 事業構想段階でのヒアリングは必須。
構想段階でのヒアリングは必須であるという。
「ヒアリングすることで、実際のニーズがどこにあるのか見えてくるし、自分ひとりでは考えつかなかったようなアイデアを閃くことがあります。知人に紹介されたカメラマンから始まり、ネットで雑誌の編集部を調べて200社ぐらいに電話して編集者やデザイナーなど30人ぐらいの方にお会いして、事業構想を説明し、意見を聞きました。」
売り込みではないので、比較的会ってもらいやすかったと当時を振り返った。
(5) 実績は買ってでも作れ。
実績はマーケティングにおいて最も重要な要素と古俣氏は語る。実績の重要性を示すため、「実績は買ってでも作った方が良い」と強調した。
「『PIXTA』を始める前、ECを運営していたので、実績がユーザーの購買に与える影響は非常に大きいという実感があります。実際にお客様の声が掲載されていないときは、アクセスがあってもまったく売れなかったのです。3人分ぐらい感想を書いてもらい、サイトに掲載したら、よく売れるようになった。そのため、アンケートに答えてくれたらクオカードをプレゼントする企画などを実施して、お客様の声を集めるようにしていました。」
当日の勉強会では、上記のほか、ネーミングへのこだわり、お金をかけない宣伝広告、広報スキル、人材採用のポイントなど、具体的事例に基づき、事業を伸ばすためのエッセンスが語られた。
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