東洋インキ製造は、2010年から、MFCA(マテリアルフローコスト会計)を生産部門や研究部門へ本格展開するとの事です。 MFCAは、設備やシステム投資が不要にも関わらず、非常にパワフルな環境経営の実践手法ですので、ここで簡単にご紹介します。
加えて、MFCAの導入に必要なのは、基本的には、これまでの歩留管理から、そこで許容されていたロスをコストとして細かく認識するという着眼点の転換だけです。
全社で全面的に展開するには工程毎のロスの認識、計上、集計ができるよう設備やITに投資する必要があるかもしれません。ただ、導入初期の段階では、設備やITへの投資はせずに、集められるデータだけで、工程毎のロスを別に積み上げてみるだけで、多くのムダが発見できるものです。
そこで得られた改善機会からの成果で、どれだけ設備やITに投資すべきかが明らかになります。このように、MFCAを用いてムダを金額で把握する事には、改善にどれかでの予算を掛けられるかを明らかにする事で、具体的なアクションにつなげられるとう副次的効果もあります。
東洋インキ製造では、2008年11月から川越製造所のプラスチック用着色剤の生産部門でMFCAを試験的に適用、その後電子メディア材料などを生産する守山製造所の一部部門に展開、いずれの取り組みでも、廃棄物コストが顕在化し有効な現場改善策を導き出すのに役立った事から、「環境対策とコスト削減を促進する全社共通の指標として利用できる」(松山茂樹常務取締役生産物流本部本部長)と判断、水平展開を決めたとの事です。
このように、小さく始めて大きく育てる事ができるのは、MFCAの一つの強みではないかと思います。あなたも、できる所でMFCAの試みを始められてはいかがでしょう?
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