エコ、グリーン、環境に優しいといった言葉で安易に社会的価値に訴えるのは、安易なように見えて、実は両刃の剣です。今回は、そうした行動が、いかに情報の出し手である企業にとって望ましくない結果になるか、また、そうならないようにするにはどうすれば良いかについてのお話です。
あなたは「グリーンウオッシュ」という言葉を聞いた事はありますか?
グリーンウオッシュは、環境に配慮した洗剤ではありません。「グリーンウォッシュ(Greenwash)」は、商品やサービス、企業などのPRや、マーケティング、販売宣伝において、根拠や関連のない謳い文句により、環境に配慮しているように訴える、コミュニケーションの相手に印象づけようとする行為を指します。
英語で環境への配慮を示すGreenと、安価な塗料、転じて、ごまかし、粉飾、取り繕いという意味を持つwhitewashを組み合わせた造語です。上辺だけで環境に取り組む企業は、「グリーンウォッシュ企業」と呼ばれ、消費者から不買運動などの激しい反発や厳しい評価を受ける事になります。
くれぐれも、海外で実際に環境に配慮した洗剤を販売される企業は、"Greenwash"という商標名をつけないで下さいね。あるいは、しゃれでつければ相当な注目を得られるかもしれませんが、そうしたふざけた名前の商品がどれたけ売上を上げるかの責任はご勘弁を。
日本では、似た言葉に「エコ偽装」があります。エコ偽装は、大手製紙メーカ各社による古紙配合比率の偽装によるエコマークの不正取得事件で広く使われました。最近では、昨年の日立アプライアンスが環境への配慮を謳った冷蔵庫で、謳われていた二酸化炭素削減効果は、あってもその1/4から半分以下、しかも、環境負荷削減につながるとしていた原材料は、実際には一時的に一部製品に使われているのみといった事件で使われていました。
エコ偽装が意図的、事件性が高いのに対して、グリーンウオッシュは、もう少し対象範囲が広く、意図的ではなくても、安易にエコ、環境、地球にやさしいなどの表現を利用し、イメージアップを図るものまで含みます。また、法令違反とはいえないまでも、宣伝や地球環境報告書に、関係の無い緑や地球の写真を使うなど、情報の受け手に誤解や実態以上の期待を抱かせる行為まで含みます。エコ偽装もグリーンウオッシュの一部ですが、グリーンウオッシュの方が環境コミュニケーションにより厳しい態度を求めているといえるでしょう。
この考え方に立てば、前回ご紹介したエン・ジャパンの[en]グリーン・ウエディングは、エコ偽装とまでは言えないかもしれませんが、グリーンウォッシュと言われても仕方のないケースかと。(「【環境調達.com 第28号 2010.1.7】ちょっとグレーなen Japanのグリーンウェディング」:
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/green/archive/g28.html ご参照)
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます